症状には肯定的意図がある

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症状には肯定的な意図がある

精神医学と一般的な医療と決定的に違うのは、精神的な症状や行動には必ず肯定的な意図があるということです。
簡単に言うと、“全ての症状はあなたの味方である”ということなのです。
本人からしてみれば厄介なものとしか思えない症状でも、そこには必ず肯定的な意図があります。

精神的なストレスから、あなたの心に、あるいは身体になんらかの症状が現れた時に、
医者は「これは必要のないもの」として取り除こうとします。
患者も「これは人生を阻害する邪魔なもの」として扱います。

身体的、物質的な医療であれば、それはとても正しいアプローチだと思います。
傷であれ、骨折であれ、癌であれ取り除こうとするのは正しいのです。

しかし、“心の問題”を扱う時に、そういうアプローチは根本的に間違っています。
心の不調からくる症状の根底には、
「何らかの不調がありますよ」
「これ以上、ストレスを与えないでください」
「そういう考え方をされると私は苦しいです」
という、無意識からのお知らせメッセージだと思ってください。


怪我をしたときは?

怪我をすると痛いですよね。
この“痛み”がお知らせメッセージなのです。
痛みがなければ、手当てをしませんし、また同じところを何度も怪我してしまうことになるでしょう。
この“痛み”という「お知らせメッセージ」を受け取った時に、手当てをせずに、“痛み止め”だけを飲ませるお医者さんがいたら信用できません。
手当てをせずに、「麻酔を打っておきましたので大丈夫ですよ」と言われても、「いやいや、ちゃんと手当してください」と思うのではないでしょうか。

眠れない時に、睡眠導入剤で一時的に眠ることはできます。
しかし、根本的に改善した方がより良いのではないでしょうか。


それぞれのメッセージ

例えば過食症の場合は、食べることで自分を満たそうとしています。
しかし、決しておなかを満たそうとしているわけではありません。 “愛情や満足感や達成感、充実感”で満たそうとしているのです。
本当は心を満たしたいのですが、完璧主義のため自分を認めることができずに達成感を得られません。
心を満たすことがなかなか出来ないので、“食べる”という代償行為で補おうとしているのです。
無理やり食べることを押さえようとするのではなく、心の満たし方を学んだ方が、精神的にも成長できますし、過食症も改善していくでしょう。

耳鳴りや肩こり、頭痛なども同じで、何らかの肯定的な意図があります。この場合の症状とは身体は何らかのストレスのある環境であることを知らせる信号(メッセージ)の役割をしてくれているのです。
「死にたい」と思ってしまうことでさえ、そこには肯定的な欲求があります。
死にたいと思う人は、根底では“楽になりたい”と思っているのです。しかし現状が苦しくツライ状況で、何をやってもうまく行かないし迷惑をかけているように感じ、不安な日々なのです。自分なりに考え、がんばっても上手く行かないからこそ、死ぬことでその状況から逃れたいと思っているのです。

しかし、その症状があるからこそ改善欲求が働くのです。

パニック障害や不安障害の方も日々、不安なことがたくさんありますが、それは自分と向き合うチャンスでもあります。
リストカットする方は、リストカットすることで感情を解放できるという肯定的な意図があります。
飲酒はお酒を飲むことでイヤなことを忘れられたり楽しい気分になれたりするのです。
喫煙もタバコを吸うことでリラックスできたり、充実感や自分の欲求が満たされる時間を持つことができます。


例えばギャンブル依存症の場合

ギャンブル依存症の方は達成感を得たいと考えています。
日常ではたくさんの努力でしか達成感は得られませんが、ギャンブルはお金と少しの時間さえあれば、手軽に達成感を得ることができるため依存してしまうのです。

得たい感情(快の感情)が“達成感”であれば、もっと質の高い方法で得られるように方向付ける方が、もっと人生は充実するでしょう。
なにか、モノを作って達成感が得られるようにしたり、何かのスポーツを頑張って達成感を得られるようにしたり、人を助けたり、社会に貢献することで得られる達成感は、とても気持ちがいいものです。
脳内から快楽物質が出ます。
ギャンブルで勝ったときと同じ快楽物質です。
もっと質の低い方法でも快楽は得られます。それはドラッグです。
飲んだり、打ったり、吸ったりするだけで得られる快楽です。

できるだけ質の高い方法で、快楽を得られるように努力することが大切なのです。


改善欲求

みなさんは、“症状”に悩まされ、苦しみます。
やる気が出ないとか、苦しいとか、落ち込むとか、お風呂に入れないとか、自信がないとか、うつ病、摂食障害、パニック障害、不安神経症、リストカットなど様々な症状があります。

表面的には困ったこれらの症状ですが、困った症状があるからこそ改善欲求が働きます。
「苦しいから、何とかしたい!」と思えるのです。
症状がなければ、どんなに間違った考え方をしていても、なかなか気づくことができません。
改善欲求が働くからこそ自分と向き合うことができるのです。

そして、そのことをキッカケにして、新しい考え方や知識を身に付けることができるのですから、症状があるということは、実は成長のチャンスだとも言えるのです。
その苦しみを乗り越えた時に、成長があるのです。

症状は決して悪者ではありません。
何か問題があるから症状として表出しているに過ぎないのです。
どんな症状だったとしても、それは必ず潜在意識(無意識)からのお知らせメッセージだと思ってください。
メッセージを受け取ったら、自分の考え方(自動思考)を見直してみる必要があるのです。
“症状”は必ず、あなたの味方です。
症状に振り回されるのではなく、症状を手掛かりにして、自分の考え方を変えて行きましょう。




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