周囲にうつ病の方がいらっしゃる場合の対処法

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周囲にうつ病の方がいらっしゃる場合の対処法

うつ病の方、抑うつ的な傾向性のある方は、周りから見ると無気力で感情を表に出さないことが多く、何を考えているのかわからないことも多いのですが、何かのきっかけがあると、泣いたり怒ったり誰かを責めたりすることもあり、付き合いづらい面もあるかも知れません。

うつ病の方は無力感に支配されているため、あまり多くを語ろうとしませんが、何も考えていないわけではありません。
頭の中では色んなことを複雑に考えています。
失敗を恐れるあまり、2歩先、3歩先まで考えてしまう傾向がありますので、「どうせ、話しても無駄だ」と感じ、話す言葉が少なくなってしまうのです。


うつ病の方の心の中

うつ病の方の内面はとても傷つきやすく、罪悪感、劣等感、無力感、孤独感を常に抱えています。
そのため、自分は周りから阻害されていると感じ、自分は邪魔な存在だと感じています。
生きているだけで苦しくて、安心する場所がありません。
ちょっとしたことで罪悪感を感じ、必要以上に約束を守ろうとしたり、都合が悪くなっても断るのが苦手で、頑張りすぎてしまう傾向があります。
心の中では「誰にもわかって貰えない」「誰も認めてくれない」と感じています。


とにかく肯定的に話を聴く

家族や恋人、友人、夫、妻、彼、彼女がうつ病などの抑うつ的な症状で悩んでいるときに、できるだけ早く元気になって欲しいと思いますし、時には「そんなにネガティヴに考えなくっても…」と考えてしまいがちです。
しかし、そうなると、周囲の方たちは自分の意見を押しつけがちになってしまいます。
もちろん周囲の方のおっしゃることは“正論”なのです。しかし、うつ病の方は正論が聞きたいわけではないのです。
焦らずに、とにかく肯定的に相手の話に耳を傾けることから始めましょう。

うつ病の方が欲しいのは“理解者”です。
私たちは普段から色んな人と話をしますが、意識的に肯定的に話を聴いてあげるのは意外と難しいものです。
なぜかというと、話を聴く側は無条件で話を聴いているようでいても、実は自分なりのバイアスがあるため、自分の世界観で解釈しながら話を聴いているものなのです。
鬱の方と接するには心理カウンセラー並に話を聴くスキルが必要になります。
しかし一般の方がそこまで訓練を積むには時間が掛かりますので、簡単なコツだけをマスターしましょう。

心理カウンセラーの基本的なテクニックは「受容・傾聴・共感」です。自分の価値観やこれまでの体験、自分なりの考え方を排して、どんな話でもじっくりと聴き、受容しましょう。受け入れることから始めます。
そして「うんうん、そっかぁ、そうなんだね」と相手に共感的に聴いてあげて下さい。
他人の話を客観的に聴く訓練をするとできるようになります。

うつ病の方は自分に対してネガティブな言葉を使うことが多いのですが、まずは一度、受容してから、部分否定します。
例えば「自分は迷惑をかけてばっかりだ」という言葉に対しては、
「そっかぁ。そういう風に感じてるとつらいよね」
「うん、そう思うんだね。でも、私はそんなに迷惑ではないよ」

と返答します。
できる限り味方でいること、自尊感情を高めるための関わり合いをすることです。


理解してから、理解される

人生が上手く行っている人は、正論をかざして「自分の言っていることを理解して欲しい」と思います。
しかし、うつ病の方も「この苦しさを理解して欲しい」と思っています。
これでは、お互いの自己主張合戦になってしまい、話し合いになりません。

原則として「理解してから、理解される」ということがあります。
もし、あなたが何か意見を伝えたいのだとするなら、それは今すぐではないのかもしれません。まずは、相手の主張を理解することから始めましょう。
相手の話を受容し、共感的に理解すると、相手の世界観が解り始めます。
相手の世界観を理解した上で、相手の世界観に沿った話し方をすることで、相手はあなたの話を少しは聴いてくれるようになると思います。


相手の自己価値を高める言葉を使う

鬱の方は自尊心や自己価値観が低く、自分を責める言葉を多く使います。
受容、共感だけでは思考パターンは何も変化しませんので、相手の自己価値が高まるような言葉を意識的に使うようにします。基本は「許す、認める、誉める」です。
相手が「失敗ばっかりしてダメだ」と思っていたら、「誰だって失敗するよ」とか「失敗したってことは、何かにチャレンジしたってことだよ。チャレンジしただけでもスゴイことじゃない?」と言ってあげましょう。相手を許すこと、認めること、そして誉めてあげることが重要です。


できるだけ早めに心理カウンセラーへ

心理カウンセラーは心の問題の専門家です。
しかし、カウンセラーによっては考え方やスキルはまちまち。
また、カウンセラーとの相性もありますので、最初から数カ所のカウンセリングを廻る覚悟で相談してみましょう。

スキルがあって信頼できそうで相性の合うカウンセラーが見つかるまで探すことです。
いきなり予約するとお金もかかりますので、電話で相談してみるのも良いかも知れません。丁寧に対応してくれるか、改善のための手法やこれまでの経験等、気がかりなことがあればどんどん質問すると良いでしょう。

ご本人以外にご家族の方やパートナーの方からのご相談も歓迎です。
もちろん、うつ病のご本人様がいらっしゃる方が良いのですが、何らかの事情でご本人様がいらっしゃれない場合は、周囲で見守る方たちが来ていただき、接し方や言葉のかけ方などを学んで頂ければと思います。

心理療法にはシステムズ・アプローチという考え方があって、問題を抱えている方と、その人に関わる方のお互いが問題を作るシステムを構築している可能性もあります。
問題を抱えている方と重要な関わりがある、周りにいる人が変化し関わり方を変えると、問題が改善していくという可能性は十分にあります。




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