「人という字は、支えあってできています」
という言葉がありますが、これは正しくありません。
ある時、心理カウンセリングスクールのスクール生と「主体性」や「自立」について話している時、
「人という字は、支えあうと書くじゃないですか?」と訊かれました。
でも、私はその言葉に同意できませんでした。
時には人が他人を手伝うことや、支えあうこともあるでしょう。
もちろん、支えあって生きられる方が美しい世界です。
しかし「支えあうことが基本」になってしまうと、ベースが「依存」になってしまうので、困ることが起こるのです。
支えてもらうことを期待したり、
「助けてあげたんだから、私のことも助けてよ」と要求したりすることになります。
しかし、期待して願いが叶わないと、がっかりしたり絶望したり、怒りがこみあげてきたり、悲しくなってしまったりと、マイナスな感情に振り回されることになってしまうのです。
人が生きるときの基本として、
ベースは「自立」「主体性(自己責任)」であるべきなのです。
人という字は、支えあってできているわけではありません。
これは甲骨文字の「人」という字です。
なんとも自立的ですね!
人が腰をかがめて、何かの作業をしているみたいに見えます。
農作業でしょうか?
それとも、素焼きの窯を作ってる?(笑)
「人という字は…」と繰り返されると、人はいつの間にかそれが真実だと思ってしまうのです。
こういう言葉に騙されないようにするためには、クリティカル・シンキングを身に付けましょう。
「みんなが言っているから本当だろう」と思わずに、自分の頭で考えることが大切です。
誰かに言われた言葉を、そのまま鵜呑みにするのではなく、
自分なりに、自分の頭で考え、そして、さらに考え続けることで、事の本質を見極めることができるようになります。
世の中に騙されないように、自分の頭で考える習慣を身に付けましょう。
Auther:水元和也