こんにちは、セラピールーム・ソラの梶原です。
春になって、朝、日光を浴びて自然の中を散歩すると気持ちのいい季節になりました。
最近はうつや不安にも効果があるということで、朝散歩を取り入れている方もいらっしゃると思います。
では、本当に朝散歩はうつや不安に効果があるのでしょうか。
答えはイエスでもあり、ノーでもあると思います。
朝散歩で気持ちいいと感じるのは、日光を浴びたり運動することで脳内で幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されることによります。
これにより一時的にはスッキリしますし自分のフォーカスも変わり、うつや不安の症状の軽い方なら効果も感じられ改善する方もいらっしゃると思います。
そういう意味では効果があると言えますが、症状が重い方にはこの効果は一時的、短期的な効果なのだと思います。
うつや不安に悩まされる方は自己肯定感が低かったり、失敗したことやできなかったことにフォーカスしてしまう思考の癖があります。
過去の嫌だったこと、失敗してしまったことを思い出し自責をしたり、また同じようになったらどうしようと考えてしまう癖があるのです。
そのため寝つきが悪くなったり、すぐに目が覚めてしまったりといった睡眠障害も起こります。
その時、脳や体の中ではどんなことが起こっているのでしょうか。
ちょっと調べてみました。
過去の記憶は脳の海馬で想起され、前頭前野で分析されます。
嫌な記憶、現在の状況が危険であると判断されると、脳の扁桃体が漠然とした不安感を生み出します。
扁桃体は活性化してそれが視床下部に伝わり、下垂体を刺激して副腎皮質に働きかけコルチゾールというホルモンの分泌を促すのだそうです。
コルチゾールはストレスに備えるために血圧や血糖値を上げる働きがあるのですが、そのような状態が長く続くと覚醒状態が続いてしまいます。
また、扁桃体の活性化は脳のさまざまな領域にも影響し、ノルアドレナリンという物質が交感神経を活性化させ、心拍数や体温、血圧などを上昇させます。
本来はストレスの要因が落ち着けば覚醒状態は緩和されるのですが、嫌な記憶を想起したり不安をあおる癖があると常にストレスによる心理的葛藤状態が続きます。
そうなると憂鬱な気分が続いて睡眠障害も起こり、涙脆くなったり、何かをきっかけに動悸や冷や汗、胃痛やめまいが起こったり、恐怖で身動きが取れなくなるという状況にもなります。
そのような状態が続くと脳はなんとか心理的葛藤を解消しようと働き続けるのですが、脳が疲弊していまい、頭にモヤがかかったような状態、頭が回らない状態になります。
自責の念がさらに強くなりネガティブな反芻、やる気が起きない、物忘れが多くなる、体がだるく朝も起きられなくなり絶望感や希死念慮まで出てきてしまいます。
こんな状態では、いくら朝の散歩をしたとしてもほとんど効果がないということにもなるわけです。
完璧な人はいませんし、誰でも失敗やできなかったことはあります。
うつや不安が大きい方は、こうするべき、こうでなければならないとか、失敗を恐れそれを許せない傾向にあります。
それは根底にある罪悪感や劣等感、不安感に起因し、自己肯定感がないことがネガティブな思考の癖につながっているのです。
もちろん散歩や運動、食事の改善も良いことだとは思いますが、思考は24時間365日、常に影響を与えています。
この思考の癖を変え自己肯定感を取り戻すことのほうが、本質的で根本的な改善につながると思います。
自分の思考の癖に気づき、それを変えていきましょう。