Q.真に受けることをやめたい

真に受けることをやめたいのと都合の良い解釈についてお聞きしたいです。

私はよく人に言われたことを真に受けます。やめたいです。
特にお前のせいやお前の考え方の問題と言われたり、大人数で意見(いい事も悪い事も含め)言われると考えをもっててもゆらいだり、やはり私が悪かったのではと思ってしまいます。(後々冷静になって考えて見ると自分の問題じゃないと分かりますが、その時はどうしてもそう思ってしまい同時になんでその時は冷静になって考えれないのかと責めてしまいます。)逆に自分に非があった場合は、死ぬほど自分を責ます。大きなことはもちろん、小さなことまで。

そして都合の良い解釈についてですが、先日、ネットで都合の良い解釈をする人はなぜ成功するのかという記事を見ました。
私自身、都合の良い解釈は良くないと思っています。というのも、家族に何でも都合の良い解釈をして、散々傷つけられた経験があります。また、何でも都合の良い解釈をしたら人に嫌われたり、良くないことが起こるのではとも思います。しかし、そう思いながらも、その記事を見て一理あるとも思いました。先生は都合の良い解釈をすることについてはどう思いますか?

心の相談室:
匿名希望・男性様からのご質問です。

こんにちは、心理コンサルタントの水元です。
ご質問、ありがとうございました。

匿名様はとても素直で良い人なのだと思います。
それはとても良いことです。

人の言葉や情報を真に受けてしまうことは誰にだってあるでしょう。
都市伝説を信じている人もいますし
水素水やホメオパシーを信じている人もいます。

温暖化はCO2のせいだ!
今後は全部EVになる!
なども、真に受けて信じている人もたくさんいますが
クリティカルに考えれば、そんなわけないんです。

匿名様は、後々冷静に考えることもできるし
「自分の問題ではない」という答えに辿り着くこともできています。
冷静に考えれば
ちゃんと正しい思考ができるということです。

もしかしたら、
ほんの少し気弱になっている時に
「お前のせいだ」等の言葉を言われると
「そうかもなぁ」と思ってしまうのかもしれませんね。

真に受けないためには
以下の2つを習慣化してください。

(1)クリティカルに思考する
クリティカル・シンキングは、懐疑的な視点に立った思考のこと。
「ほんとかなぁ?」「それってホント?」と
常に懐疑的な視点で検証することが大切です。

(2)論駁(ろんばく)する
反証を挙げて論争すること。

これらを習慣化すれば、
人から聞いた言葉をすぐに真に受けることが少なくなります。

しかし!
匿名様の問題は、

色んなことを真に受け過ぎることよりも
自分を責めてしまうことのように思います。

自分に非がない場合でも、なんで冷静に考えられなかったのかと責め、
自分に非があった場合でも、自分を責める。

そうするとどんどん自信がなくなり
辛く苦しい人生になります。

自分を責めるのを止め、
自分を肯定的に扱う訓練をしましょうね!

都合の良い解釈をした方が成功する?

ネットの記事は玉石混交ですね。
どんな文脈で書かれていたかにもよりますが、
本質的には、都合の良い解釈をした方が成功するということはないでしょうね。

「都合の良い解釈」とは、誰にとって都合が良いのか?

もちろん、自分にとって、ですよね?
つまり「自分勝手な解釈」と捉えることができます。

自分勝手な解釈をするとほとんど成功しません。
まれに自分勝手な解釈をした方が成功することもあるでしょう。
しかし、それは短期的にです。

本当の成功は、長期的なものでなければなりませんし、
同じ方法で何度も成功できなければ、
それは成功法則とはなりえません。

7つの習慣の、7番目の法則。
「何度も成功すること」

人生は、偶然で成功することもあります。
芸能人の一発屋とかもそうですね。

自分勝手な解釈をした人がいて、
たまたまその人が偶然に成功したとしても
長期的に成功できるとは限りませんし、
その成功法則は普遍のものにはならないでしょう。

つまり、
「都合の良い解釈をした方が成功する」という法則は成り立たないと思いますよ。

たとえ話をします。
社長が社員に「こういう風に仕事をしてください」とお願いします。
社員の人それぞれが、自分にとって都合の良い解釈をして、
各々が自分勝手な仕事の進め方をしたとします。

さて、この会社は成功できるのでしょうか?

無理ですよね~。

ネットの記事とか雑誌の見出しとか
テレビ欄とかYOUTUBEとかは
センセーショナルな見出しを付けて興味を引くためのキャッチフレーズを付けることが良くあります。
内容をじっくり読んでみると、
タイトルに合わせるために、無茶な方向に誘導する内容だったり
読むに堪えない文章もよく見かけます。

youtubeの釣りタイトルの例:
無人島を買ってみた!(←買ってない)
○○会社が倒産!(←倒産してない)

こんな感じです。
酷いですね。

本や雑誌、ネット記事を読む時には
必ずクリティカルに考え、論駁しながら読むと
騙されなくなりますよ。
そして、真実を見分ける目が養われます。

一方で、「都合の良い解釈」というのが
文脈的にリフレーミングやフォーカスのことを指しているのであれば、それはありだと思います。

「現実は全て解釈次第である」

と、トニー・ロビンズは言っています。

また、どこにフォーカスを当てるかによって見え方も違ってきます。
日本の良いところだけにフォーカスすると、こんな素晴らしい国はありませんし、
日本の悪いところだけにフォーカスすれば、こんな悪い国はありません。

モノゴトというのは常に背中合わせなところがあり、
捉え方によっては、そう見えるよね?
ということもあると思います。

例えば、コップの水が半分入っている時に、
「もう、半分しかない!」
「まだ半分もある!」
というのは、どちらで捉えても大丈夫なことです。

どちらの捉え方が、自分にとっての心理的困難を和らげてくれるのかということを考えて、どちらかを選択することになると思います。

ビジネスの話で言うと、
裸足で暮らしている民族がいる村に
2人の靴のセールスマンが迷い込んだ。
1人は「あぁ、ここでは靴は売れないな」と思い、
1人は「この村の全員が靴を履く習慣を覚えれば、何足売れるな」と思ったという、有名な逸話があります。

この文脈の場合は「都合の良い解釈」ではなく
「合理的な解釈」や「有益な解釈」とした方が、
さらに適切となるでしょう。


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心理コンサルタント・ライフコーチ
Author : 水元和也

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