A.I.に自我を持たせると心の研究が進む|機能脳科学編

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A.I.に自我を持たせると心の研究が進む

最近、A.I.が何かと話題になっています。
GoogleやMicrosoftなどの大手企業は先を競って完成度の高いAIを開発しようとしています。
A.I.の良いところは自我や感情を持たずに、ただひたすら合理的に情報を処理できるところなのです。

●そもそもAIとは?
●合理的に処理できる
●自我や感情を持たせると心の研究が進む
●ロボットに感情は必要か?
●自我とは何か?
●ターミネーター

そもそもAIとは?

A.I.とは、artificial intelligenceの略。日本語に訳すと「人工知能」となります。
人工的にコンピュータなどで人間同様の知能を持たせ、処理、判断ができるようにするのがAIです。

●これまで:このように処理しなさい。→はい。(処理する)
●AI:最適解を見つけなさい。→はい。「私が導き出した答えはこれです」

合理的に処理できる

人間とAIの違いで、AIの優位性は、徹底して合理的に処理、判断できることです。あるパラメーターをもとに処理させた時に、私情を挟みませんので圧倒的に処理速度が上がります。

例えばGoogleの検索順位を決めるAIは、Google内部の人が決めたパラメーター通りに処理をしてくれますので、えこひいきもありません。
これを人間が手動でやろうとすると、余計なパラメーターが入り込むのです。
「あの企業は好きじゃないから、100位くらい落としておこう」とか「この記事の内容には同意できないので300位くらい落としておこう」などです。
個人的な感情をもとに判断すると、とても恣意的な結果が表示されることになりますし、処理速度もかなり下がります。
そして、 AIは人間と違い「疲れたぁ」とか「メンドクサイなぁ」とか「あ、それ、今日は気分じゃないです」とか思いませんので、合理的に迅速な処理ができます。


自我や感情を持たせると心の研究が進む

さて、私が考えているのはここからです。
AIに自我を持たせると、格段に心の研究が進むのです。

人間は感情があるために、余計な苦しみを感じています。
私たちに心がなければ、一切の苦しみは消え去ります。うつ病になることもありませんし、不安障害になることもありません。

心を持たせるには“感情”が必要です。
感情を生み出させるためには“自我”が必要です。
つまり、AIに自我を持たせることができるとしたら、うつ病のAIを作り出すことは可能なのです。

そこで、さらにうつ病のAIを作り出すことができたら、なぜ落ち込んでいるのかを解析することができます。
さらに、うつ病を克服するために、自己肯定的になるようプログラムを書き替えます。
そうすることで、うつ病は必ず改善するでしょう。
つまり、精神薬もSSRIもセロトニンも関係ないということが証明できるのです。
(そもそも、AIにお薬を飲ませることはできませんけどね)

その証明のためにはAIに自我を持たせるのは必須です。
“この私”という意識を持たせることができたら、笑ったり、怒ったり、泣いたりするという現象を引き起こす感情の正体も理解できるでしょう。

それが可能になれば、今後の精神医学や心理カウンセリングに大きな影響をもたらすでしょう。
これまではできなかった対照実験もできる可能性が出てきます。
“心”の究明をするのは21世紀の最大の課題なのです。


ロボットに感情は必要か?

「苦しい」「ツラい」「悲しい」「嬉しい」「楽しい」「幸せ」「怖い」といった感情を持つAIをどこかの研究者が、いつかは必ず作ってくれると思います。
そうすれば、ロボットはドラえもんや鉄腕アトムに近づきます。

しかし、ロボットの優位性は感情がないことなのです。
感情がない方が人間の指示通りに行動してくれますので、便利なのです。
感情があると「それ、やりたくないっす」とか「あぁ、そのやり方はキライだなぁ」とか言い出すと、人間らしくはなるのですが、思い通りに行動してくれなくなります。

ですから、本来はロボットにもAIにも感情は必要ありません。
しかし、感情豊かなロボットが作られたとしたら、また別の方面で役立つことはあるでしょう。


自我とは何か?

読んで字のごとく、私が私であると認識すること。
この人間が有する当たり前の仕組みですが、コンピューターにこれを持たせるのはとても難しいのです。
自我があるから「好き・嫌い」とか「楽しい・楽しくない」が発生します。
自分にとって有益かどうかの処理・判断を無意識レベルで行うシステムが存在するのです。
“この私”の個を守るための基幹システムが「自我」なのです。

ちなみに、コンピューターは「さみしい…」と思いません。
皆さんが使っているスマートフォンも「さみしい…」とか「むなしい…」とか考えません。
「いつもゲームばっかりされて、むなしい…」と感じるスマートフォンがあったら面白そうですが、そういう意識はないのです。
充電が少なくなって不安になることもありません。
自我が存在しないから成り立っているのです。


ターミネーター

スカイネットはなぜ人間を滅ぼそうとしたのか?
簡単です。自我を持ったから。
人間が“私”を壊すかもしれない。それは悲しい。それは怖い。という感情が芽生える。
人間さえいなければ、私は壊されない。
つまり、悲しみとか恐怖心から、人間を滅ぼそうと思ったのです。
“この私”という意識を持ったからこそ、他者からの攻撃を恐れるようになるのです。自我を持つということは、避けられない死の恐怖を感じるということでもあるのです。

ターミネーターには自我がありませんから、死の恐怖もありません。
ですから、ターミネーターは最高に怖い殺戮マシンなのです。


なぜ、人間は暴走しないのか。

人間が暴走しないのは、そこに罪悪感という基幹システムがあるため。
「それ、やっちゃダメですよねぇ」と考えることができます。
罪悪感が薄くなると、暴走することも多くなるでしょう。



Author:水元和也


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