DNA(遺伝子)の問題か?
精神的な気質や疾病、障害は遺伝子によって起こるのでしょうか。それとも生後、生育環境により獲得していくものなのでしょうか。
何人かのクライエントさんに「私の家族や親類にはうつ病の人が多いのですが、遺伝なのでしょうか?」という質問をされたことがあります。
「アダルトチルドレン」の項にも世代間連鎖の話を書きましたので、よろしければ時間のある時にお読みください。
私は、遺伝子(DNA)の問題ではなく、世代間連鎖の影響だと思っています。
性格というのは生後、生育環境の中で育まれていくものですから、違う場所で違う親に育てられたら、きっと違う性格になって行くと思います。それは日本人に日本語で育てられたので、あなたは日本語を理解することができているのです。
例えば、お父さんがアメリカ人でお母さんがイタリア人だったとします。その子は0歳の時に日本人夫婦のもとへ引き取られたとしましょう。
遺伝子的にはアメリカ人とイタリア人のハーフ(mix)ですが、その子は日本語で育てられたら、日本語しか学習していませんので、日本語しか理解できないのです。
形質は、遺伝子(DNA)による影響がとても大きく作用します。
形質とは顔の形が似ていたり身長が似ていたりという身体的な特徴のことです。
ですが、気質は違います。
形質と気質を混同しないようにした方が良いでしょう。
もちろん、遺伝子による影響が全くないとも思っていません。
雑感ですが20%程度は受け継がれる気質というものはあると思います。しかし、残りの80%は後天的な生育環境の影響がとても大きいのです(岡田氏の本によると約25%)。
例えば遺伝子情報でうつ気質があったとしても、明るく優しい肯定的な親に育てられたら、また違った性格として育って行くでしょう。
これは“種”があったとしても、育て方次第では“発芽しない”ということを意味しています。
性格は後天的に獲得する
私たちは様々な経験や体験を通して学習し、確信を深めていきます(信念を形作る)。
例えば、今、生まれたばかりの赤ちゃんを想像してみてください。
生まれたばかりの赤ちゃんは、何も経験していませんので、まったくのプレーンな状態であり何の学習もしていない状態です。
その赤ちゃんが…、
「明日、お母さんがミルクをくれなかったらどうしよう?」とか「おむつを替えてくれなかったらどうしよう?」と不安になるのでしょうか。
あるいは「私はなんて役立たずなんだろう」「生まれてきてごめんなさい」と自己否定的に考える赤ちゃんはいるのでしょうか。
そういったことは、なかなか考えずらいですよね。
つまり、生後、生育環境の中で否定され続けたり、怒られ続けたり、失敗する自由が無かったりというようなことが多いと、「自分はダメな子なんだ」と思い始めてしまうのです。
世代間連鎖
世代間連鎖というのは、育ててくれた親の性格を、まるで連鎖するように引き継ぐということです。もっと厳密に言えば、否定的な親に育てられると、子供は自分に対しても、他人に対しても否定的になります。そうなると自信のない子に育ち、対人関係も上手ではなくなります。
心配性の親に育てられると、子供も心配や不安で怖がりに育ってしまうのです。
育て方で性格は変わりますので、これからお子さんを育てる、あるいは現在、子育て中のお父さん、お母さんは、優しく肯定的で前向きな言葉を伝えながら子育てしましょう。
そのためには、まず自分がそういう性格になってしまうことが大切です。
なぜなら、お父さん、お母さんの性格が態度や言葉に現れ、それを伝えることで、子供は自信を持ったり自信を失ったりしてしまうのです。
お父さん、お母さんが自信を持って、世の中に肯定的になり、自分にも周りにも優しい人になれば、子供も同じような人間として育って行くのです。
こんな症状ありませんか? TOP | |
セラピールーム・ソラ TOP |
前のページに戻る |