不安障害、パニック障害の症状と原因と克服
不安障害の方の根底にあるのは「恐怖感情」です。
失敗すること、間違ってしまうこと、人に迷惑をかけてしまうことを恐れています。
そして、命の危険にさらされるとことを、他の人以上に恐怖しています。
不安障害のすべては、“予期不安”というファクターにより引き起こされます。
つまり、未来の良くない出来事、最悪の出来事を前もって想定し、自分の不安を煽り、自分を脅すことにより、不安の強度が強くなるのです。
不安障害、パニック障害の症状
パニック障害はパニック発作と呼ばれる突然の症状により現れます。
その後、またあの時と同じ状況になったらどうしようという予期不安が強くなります。満員電車や人が混雑している場所、狭い空間や広場などで突然、動悸がしたり、呼吸困難や過呼吸、めまいなどの身体的症状と、心理的に強烈な不安感に襲われます。
パニック障害の方はもともと予期不安が強いので、そのことがパニック発作を引き起こすという悪循環があります。
不安障害、パニック障害の方の特徴
不安障害、パニック障害の方はストレスの多い環境で生活していることが多く、支配されていることがあります。実はとても優しくて気が小さく繊細で几帳面な方が多いようです。自分に自信がなく、ちょっとした失敗でも強い不安と緊張感を感じる傾向にあります。
特に予期不安が強く、「失敗したらどうしよう?」「間違っていたらどうしよう?」「迷惑をかけてしまったらどうしよう…」と、未来のまだ起こっていないことに関して思考してしまうパターンがあります。
不安障害の方に特徴的なのが、この「どうしよう癖」です。
また、予期不安により「悲観的な結論」を出してしまう傾向にあります。
フラれたらどうしよう? 嫌われたらどうしよう?という、できれば起こって欲しくない未来の状況を想定して自分の不安を煽ることが日常的にあります。
不安症の方は、根底に劣等感を抱える方も少なくなく、外面を気にすることが多く、表面上を取り繕うことが得意です。ブランドのバッグや高価な時計を身に付けることで安心を得ようとします。見栄っ張りな人、外面ばかり気にする方は、劣等感を改善しましょう。
不安障害、パニック障害の方の生育環境
●暴力的な家庭環境
生育環境には特徴があり、多くの場合は両親のどちらか(もしくは両親とも)が大声で怒鳴ったり、(精神的、肉体的に)暴力的で支配的な場合が多い。もっと極端な例では、長時間にわたり一方的に叱り続けられた経験を持つ方もいらっしゃいます。
●心配性の親
また、極端に心配性の親に育てられることでも不安障害になってしまう傾向にあります。心配性の親は不安を抱えながら子育てをします。
親は子供が失敗しないようにという優しい想いで接するのですが、それが極端になりすぎると「失敗は恥ずかしいこと」「失敗することは許されないこと」となってしまい、失敗することを極端に恐れるようになってしまうのです。
ですから、電車に乗った時などに「失敗したらどうしよう?」「迷惑をかけてしまったらどうしよう?」と、さらに自分の不安を煽ってしまうのです。
●構いすぎる親
また、優しすぎる親、構いすぎる親に育てられると、自立心が芽生えません。
「あーしなさい」「こうしなさい」「こっちの方がいいんじゃないの?」といちいち口を出されながら成長すると、自分で正解を探そうとせず、「正解は親の中にある」「正解を教えて欲しい」と思うようになります。
不安障害の方、パニック障害の方は「自分でやってみて、結果は自分で責任を持つ」という訓練をして来なかったため、必要以上に失敗すること、間違うことを恐れてしまうのです。
こういう子育てをしてしまうのは、親の無意識の中に「不安」や「寂しさ」があるのです。いつまで経っても子ども扱いで、自立を促そうとしません。それは、子供が成長し、巣立っていくのが寂しいからなのです。
無意識的に自立を妨げている可能性があります。
表面上は社交的でとても優しい親のことが多いのですが、これも子供にとってはある意味、“毒親”と言えます。
暴力的、否定的とは逆のケースです。“逆毒親”と言えます。
「やらせてみる → 褒める」の循環を作ることで、自立できるように支援しましょう。
いずれの場合も、関わり合いの中で否定されることが多く、約60%~70%の方がうつ病との併発があります。
不安障害、パニック障害の方へのアプローチ
一般的には認知行動療法(CBT)などの精神療法が有効とされていますが、私はこのアプローチに否定的です。
認知行動療法は、立ち向かって行く事により、現状に慣れさせる暴露療法などにより、新しい認知の獲得を目指しています。
しかし、行動療法の一部の暴露療法はトラウマを悪化させる可能性があるため、あまり好きなアプローチではありません。一部の方には暴露療法が有効なことがありまが、あまりに乱暴なやり方です。
暴露療法を勧められても拒否してください。
行動を変えることで認知が変化する可能性はありますが、変わらないか、もしくは現状よりひどくなる場合も考えられます。こんな博打のような方法論を取り入れる必要はないのです。
それよりも、認知、考え方、思考パターンを変えることが重要です。
それには認知行動療法よりも、論理情動行動療法(REBT)の方が正しいアプローチです。
自分が不安になる認知を書き換えて行く必要があります。
“自分を脅かす癖”を止めることが、最も重要なことです。
それには、論理情動行動療法の“論駁”が、とても効果的です。
この“論駁”を展開することにより、自分の中に安心感をいつでも作り出せるようにしましょう。
不安障害を克服するにあたり、精神的な自立は最重要ポイントです。
“主体性”を身に付け、人任せで人生を生きるのではなく、自己責任でこの人生のすべてを自分で処理できるほどの力強さを身に付けましょう。
セラピールーム・ソラでのアプローチ
セラピールーム・ソラでは論理情動行動療法(REBT)やNLP、催眠療法などの施術を行っています。
まずはお話をお伺いし、あなたの中にある「不安を生み出す構造」を発見し、積極的に有益ではないパターンに介入することにより改善していきます。
頑固で一方的に自分の意見を押しつけてくる両親、怒鳴る親、暴力的な親と、“精神的に決別”することが最初に大切なアプローチとなります。
現在は一緒に暮らしていなかったとしても、心の中に住んでいる親に精神的に支配されていることが多くあるためです。
支配されたままでいると「恐い」という恐怖心や罪悪感から逃れることができませんので、まず、親からの精神的な支配から離れ、今後の人生は自分で作って行くという決断をする必要があります。
また自分の存在を肯定的に認め、自信を取り戻す必要があります。
そのためには原則中心療法(PCT)や論理情動行動療法(REBT)やフォーカシング、催眠療法や自己催眠暗示などが有効になります。
日本語には気が強い・気が弱いとか、気が大きい・気が小さいという表現がありますが、不安障害、パニック障害の方はとても優しい方が多く、実は「気が弱い、気が小さい」方が多いので、「気を拡大する」というワークも有効です。気を大きくする、負けない自分を作る必要があります。
精神的に「状況に」「環境に」「人に」負けてしまっているのです。
積極的に「負けない自分」を作って行きましょう。
また、いつも「こうなったらどうしよう…」「こうなったらイヤだな…」「こうなったら最悪!」ということを想起する傾向にありますので、「なりたい自分」になるための言葉を使うようにして貰います。
このことが不安障害を改善する上で大切な点になります。
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