「原因思考」よりも「解決志向」で考えることが大切

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原因探しより、解決法

人生を変える場合は、原因を探すよりも解決法を探った方がはるかに早く改善します。
原因を知りたいというお気持ちはよくわかります。原因がわかれば対処法が見えてくるような気がするのでしょう。
ある人が言っていました。
「自分がやる気が出なかったり、自信が無かったりしたのが、うつ病のせいだとわかって、とてもスッキリしました」

そうですね。
確かに原因がわかるとスッキリはします。
さらに「やる気が出ないのは、自分のせいではなく、うつ病のせいだったんだ!」と、責任を転嫁できるかもしれません。
しかし、その方はうつ病が解決したわけではありません。

しかも、その方の苦しみの原因は「うつ病」ではありません。「うつ病」というのは結果なのです。
自己否定、自己攻撃を続けた結果、苦しくなり、落ち込んだり、やる気が出なくなったり、自信が無くなったり、眠れなくなってしまったことを指して、「うつ病」と呼んでいるに過ぎないのです。
因果を逆に考えるのではなく、正しく理解していきましょう。



ソリューション・フォーカスト・アプローチ

心理カウンセリングの短期療法の中に「ソリューション・フォーカスト・アプローチ(solution focused approach)」(SFA、解決志向短期療法)という優れた考え方があります。
今までの心理療法と異なる点は、「ソリューション」つまり原因よりも「解決」についてフォーカスする心理療法です。

原因思考「なぜ、こうなっているんだろう?」
解決志向「どうやったら、解決できるだろう?」


この、解決志向を身に付けると、今抱えている自分の問題が解決するだけではなく、今後の人生のすべての考え方が変わってきます。
ほんの少し、自分への問いかけを変えるだけで、まったく違った答えが生み出されるのです。


自分の問題でも

原因思考「なぜ、上手くやれないんだろう?」
解決志向「どうやったら、上手くやれるだろう?」

「辛い、苦しい、しんどい、死にたい、怖い」と言い続けていても問題は解決しません。どうしてこうなったんだろう?と考えて「原因①」を探っても、なかなか答えは出てきません。それよりは、現状を打破する方法を探した方が有益なのです。


恋人、夫婦間でも

原因思考「なぜ、やってくれないんだろう?」
解決志向「どうやったら、やってくれるだろう?」

旦那さんや奥さんに文句を言うのは簡単です。
しかし、やってくれないことを責めても、なかなか思うとおりにやってくれるようにはなりませんし、状況は改善しません。それよりも、「やってくれた時を見つけて褒めてみる」などの違うアプローチを試した方が効果的だと思います。


子育てでも

原因思考「なぜ、宿題をしてくれないんだろう?」
解決志向「どうやったら、宿題してくれるかな?」

子育てをしていると、様々な問題に直面します。「朝、起きてくれない」「片づけをしてくれない」「だらしない」「宿題をしてくれない」「スマホばかりいじってる」「ゲームをやめない」などです。
例えば、なぜ、子供は勉強が嫌いなのか?簡単です。めんどくさいし、達成感も得られないからです。それなのに無理やり「勉強しなさい!」「宿題しなさい!」と声を荒げても、思うような効果は得られません。
それよりは、まず、自分が考える番です。「なぜ、宿題をして欲しいのだろう?」と考えてみてください。ちゃんと学校に行って、ちゃんと勉強して、ちゃんと大学に行って、ちゃんとした会社に就職することによって得られる“親の”メリットのためだと思います。
そうではなく、子供に「勉強することのメリット」を、子供が納得するように伝えてあげることです。


会社でも

原因思考「なぜ、あいつは遅刻ばっかりなんだろう?」
解決志向「どうやったら、遅刻しなくなるかな?」

「なぜ、うちの会社は儲からないんだろう?」と考えたところで上手く行く答えが見つかるわけがありません。それよりは、自分への問いかけを変えてみましょう。
「どうやったら利益を出すことができるかな?」「お客さまがたくさん買ってくれるためにはどういう方法があるかな?」という風に、可能性を広げる考え方を身に付けてください。

SFAの3つの原則

ソリューション・フォーカスト・アプローチには、まず初めに3つの大原則があります。

(1)もし、上手く行っているのなら、変えようとするな。
(2)もし、一度やってみて上手く行ったのなら、また同じことをしなさい。
(3)もし、上手く行っていないのなら(何でもいいから)違うことをしなさい。


この原則は、とても深い意味のある原則です。
人間の多くは意外にも、上手く行かないことでも、今までの自分のやり方を曲げず、変えようとしないものです。3つ目の「もし、上手く行っていないのなら(何でもいいから)違うことをしなさい」はとても重要です。これまで無自覚に、自分のパターンとしてやってきたことを変えてみることです。

カッコ内の(何でもいいから)は半分、本当です。思考においても行動においても、今までと違ったことをすれば、必ず違った結果が出るのです。しかし、“何でもいいから”と言っても、その中でも「より上手く行きそうな方法」を選択することは大切です。

まずは、今までとは違う方法論を10個考えましょう。
そして、その中でも、より上手く行きそうな方法は何かな?と考え、上位順に試していった方が、より早く解決すると思います。

頑固な人ほど、自分の考えを曲げようとしませんが、それはもったいない生き方なのです。どんな時でも柔軟に考え、新しいやり方や、時代に合わせたやり方を取り入れて行った方が人生は豊かなものになります。
自分も新しいやり方を発見できて成長できますし、人生自体も、様々なことに対応できるようになります。


人に聞く

自分だけの考え方では、当然、限界があります。そういう時は「すでに上手く行っている人」を見つけて観察することです。どんな分野でも必ず成功者はいるものです。
上手な子育てに成功している人、対人関係に成功している人、幸せを感じることに成功している人、会社経営に成功している人。その方たちは、必ず成功の秘訣を知っています。
もし、身近に「すでに上手く行っている人」の例がなければ、その分野の専門家に聞くことが、手っ取り早い解決法が見つかると思います。




Author:水元和也


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