
※はじめに(CAUTION)
長文なので、いつでも読み返せるようにブックマークをしておくと便利ですよ。
2025年6月10日
愛着障害(ゆる愛着障害)
厳密な定義で言えば、愛着障害(Attachment Disorders)は、乳幼児期(0歳から2歳)に養育者との間に安定した愛着関係が築けなかったことに起因し、発症します。
簡単に言うと「無条件で愛された」「無条件で受け入れられた」という原体験を通して「私はこの世の中に存在していいんだ」という感覚を持つこと。
幼児期の赤ちゃんがお世話をしてくれる人(主に母親)との関係の中で「私って大切な存在なんだ」「人って信じられるな」という愛着(アタッチメント)が形成されることにより、今後の人生を生きていくための心の土台が作られるのです。
愛着障害は、この心の土台が上手く形成されなかったために、常に人間関係において支配したり、支配されたり、怯えていたり、拒絶したりという行動を取るようになります。
存在していること、呼吸をしていること、命があることが、無条件で祝福されていると思えると、心の中に空いた穴が埋まり、その後の人生で他人に依存することなく安心、安定した心理状態で過ごすことができるようになります。
もう少し緩い定義をすると、10歳くらいまでにどのような大人たちに育てられたか、ということが大切になります。もちろん0歳から2歳までの両親との関係は最重要なのですが、それ以後の両親との関り、兄弟姉妹との関り、幼稚園の先生との関り、友達との関り、学校の先生との関りでも傷は深くなっていきます。(ここでは「ゆる愛着障害」と定義します)
愛着障害の方が得たい感覚は「愛と繋がり」なのです。
安全基地
無条件で愛されるという経験を繰り返すことにより愛着関係が安定し、愛着が穴が埋まります。そしてそこが「安全基地」となり自由な行動ができるようになります。社会に適応しようとする時に、この愛着の穴が埋まっていないと、不安になり、「失敗できない」「嫌われるのではないか?」と思うようになってしまうのです。
安全基地があると、誰かに嫌われたとしても家に帰れば安全なので、他人から嫌われることを必要以上に恐れることはなくなります。
「親から愛して貰えている」「親との繋がりを感じられる」と十分に思えることで、安全基地は確立されて行きます。
(この場合の親とは精神的な養育者のことであり、実際の両親でなくても良い)
愛着障害度診断テスト
愛着障害度診断テストからこちらに辿り着いた方も多いでしょう。
まだの方は、とりあえず気楽な気持ちでやってみてください。
訳あってすべてYESで満点になるように設計されています。自分で「YES」「NO」を付ける項目を見て、自分が「不安型」なのか「回避型」なのかを判別してみてください。
![]() | 愛着障害度診断テストはこちら |
生命の危機
私たちは幼少期に親がどのような関わり合いをしてくれたかで、人間世界がどのような場所かを知ります。
私たちが赤ちゃんだった時、まだ言葉は理解できません。その時に親の表情を見ています。笑顔で肯定的に接してくれたのか?めんどくさそうな表情や態度だったのか?怒った表情や態度だったのか?
それがとても重要だったのです。そして生まれたばかりの赤ちゃんだった時には、笑顔と寛容さと優しさこそが、愛そのものだったのです。
例えば、そこに存在するだけで何もできない自分を見て、両親が笑顔を向けてくれたら「自分は存在していていいんだ」という安心感を得ることができます。また、失敗したりした時に親が笑顔だったのか?怖い顔をしていたのか?全く無関心だった(ネグレクト)のか?で、受け取り方が変わってきます。
失敗した時に笑顔でいてくれたら「失敗しても大丈夫」と思えるでしょうし、
怒った怖い顔をされると「恐怖心と罪悪感」を植え付けられます。恐怖心はのちの不安となって行きます。
まったく無関心だった場合は、誰からも存在を認められていない・・という感覚を持ち、愛されるために必死になるか、もしくは、こちらから先に拒絶してしまうようになるでしょう。
赤ちゃんにとって親から愛されないというのは、生命存続の危機です。食べるものも与えられず飲み物も与えられなければ、それは死に直結してしまうのです。ですから無力な赤ちゃんにとっては実際に食べ物を貰えたかどうかよりも、愛されているかどうかが、継続的に安定して安心な状態で過ごせる初期のマインドセットを作ることができるのです。
両親から、マイナスの関わり合い(否定、支配、抑圧、拒絶、ネグレクト、精神的虐待、肉体的虐待、性的虐待など)を受けた子供は、愛着に問題を抱えるようになります。
愛着障害は人間関係のトラブルを引き起こす。
愛着障害はうつ病のもとや不安障害などのおおよそすべての精神的な問題のもとになって行きますが、多くは対人関係、人間関係のトラブルとして目立つようになります。
人とうまく関われない、傷つきやすい、引っ込み思案、嫌われるのが怖いので、自分を抑えて対面的にはいい顔をする(が、すごく疲れる)。
その他「恋愛依存」「モラハラ」「DV」「パワハラ」「ストーカー」なども愛着障害に端を発しています。
●恋愛依存の方の心理
恋愛をきっかけに愛着障害に気づけることがあります。恋愛で躓く方の多くは愛着が癒されていないからと言えるでしょう。
幼少期に両親に無条件で受け入れられなかった経験、放っておかれた経験、見捨てられた経験があると、大人になってその代理をしてくれそうな異性に愛を求め、愛着の穴を埋めようとします。(一時的ではあったとしても)優しく受け入れてくれた相手に執着したり、メールやLINEに返信が来ないと「何かいけないことを書いたかな?」「嫌われたかな?」と不安になりドキドキしてしまいます。とにかく恋人が離れていくことを恐れています。
年齢に関係なく無意識に「お父さん的な愛」「お母さん的な愛」を求めてしまいます。
しかし、どんなに愛されても心の穴は埋まりませんので「もっと愛して」と相手に迫り「重いヤツ」と思われるようになります。いわゆるメンヘラさんですね。「キミが好きだよ」「キミは他の人と違うね」「キミが一番だよ」という言葉を信じ、関係性が変わらないことを望みどっぷりとハマっていきますが、その一方では相手のちょっとした行動や言動から不信感が湧き、自ら関係性を壊すような態度を取ることもあります。
また、ひどい相手(暴力、暴言など)なのに、別れられなかったり執着したりしてしまうこともあります。
神田沙也加さんも何度も何度も暴言を吐かれていたのに、それでもなお愛と繋がりを求めていました。しかし、それが叶わない辛さに耐えられなかったようです。お気持ち察します。
●モラハラ、DVの心理
客観的に見ると、とてもひどい相手なのに別れられない・・。その心理の根底には、酷いことをされているが、耐えれば繋がっていられるという安心感が得られるのです。もしくは後述しますが「誰かと繋がるためには痛みが必要」と学習している場合もあります。
●パワハラの心理
上司、部下の関係は親子関係に似ています。ひどいパワハラをする上司は「支配したい」という欲求が隠されています。支配することで相手が逃げられない状態になれば、関係が繋がっているので安心します。両親が言うことを聞き入れてくれなかったということが繰り返された家庭環境で育つと、どうしても「相手を支配したい」という心理状態になります。(怒鳴って支配しようとするのは、とても幼稚で子供っぽい行動です。「僕の言うことを聞いて~💦」というか弱い精神状態の表れと言えます)
部下は上司のもとを去るべきなのですが「この理不尽に耐えたら認められるかもしれない!」「怒鳴るけど、私のことを見てくれている」という繋がりに安心感を覚え、離れられないのです。
●ストーカーの心理
まったく無関係な人からストーカーされることは稀で、大抵は1回以上話をした、あるいは付き合ったことがある人からストーカーされるのが一般的です。今まで誰にも受け入れて貰えなかった人が、笑顔で受け入れられた経験をすると、その心地よさを求めて、もっと繋がっていたい思ってしまうのです。この人と繋がりさえすれば、きっと受け入れてくれるはず。そしたら不快安心感が得られる、存在が許されるような気がするので執着します。本人も理性ではダメだと分かりつつも止められません。
ストーカーされる側の心理の根底には「人が離れていくのが怖い」という思いがありますので、キッパリと断らず、曖昧な笑顔で相手が察してくれるのを待ってしまうのです。「必要とされる」経験の少なさから、嫌いな人からも嫌われるのが怖いのです。
●うつ病の心理
ものすごく省略して言うと「罪悪感」「劣等感」「無力感」による常時のストレスによってうつ病になって行きます。両親からの関わり合いが否定、支配、拒絶であり、それが繰り返されると、自分の存在価値を見失ったり「悪いのは自分だ」「自分がダメだからだ」「自分には欠けているものがるから愛されないんだ」と思い込むようになります。とても優しい両親だったとしても、条件付きの愛(後述)だった場合、「良い成績、良い結果を出さなければ愛されない」「努力していない自分は愛されない」「優秀でなければ愛されない」と思い、愛されるため、必要とされるため、褒めて貰うため、高く評価してもらうために無理して頑張り続けて、疲れ果て、やがては力が尽きて、エネルギー不足のままずっと頑張り続けていくことになります。他人からすごいね!と褒められても、それを受け取ることなく完璧主義的に努力し続けて限界を超えると動けなくなります。心理の根底には常に「自分はダメだ」「何もできない」と自分を責め続けているのですが、それは「ダメな人間は愛されない」「何もできない人間は愛されない」「愛されるためには頑張るしかない」という想いの表面化したものなのです。
●不安障害、パニック障害の方の心理
不安障害の方は表面的には不安が大きいので、自分は不安障害かも!と思ってしまうかもしれませんが、ほとんどの方の場合、うつ病的な傾向(自信がない、自尊心が低い、自己肯定感が低い、自己価値観が低い)も同時に存在しています。
幼少期の育てられ方の問題として、親のマインドが不安、心配性をもとに、過保護、過干渉で育てられてしまうことです。自分で乗り越えるべき課題を親が先回りして全部やってくれたり(例えば雨に濡れないように傘を用意する、寒く無いようにカーディガンを用意する)や、「それはやっちゃダメ」「それは危ないよ!」「それは・・」と繰り返されることにより、世の中は危険な場所だと思い込むようになります。
また、すぐ怒る、すぐ不機嫌になる、すぐ怒鳴る人がいる環境では、良い子にしていなければ怖い思いをする、捨てられるかも知れない、見放されるかもしれないという恐怖心から、自分の意見や感情を抑え込み、相手に合わせる外面のいい子になります。
そのため、一見、人間関係はとても上手にに見えるのですが、内面では相手に合わせすぎてヘトヘトに疲れてしまったり、人が離れて行ってしまうのではないかという恐怖感に怯え続けてしまうのです。
不安症の人は、不安と寂しさで人と繋がろうとします。たぶん、不安を口にすると、不安症の親は共感してくれますので、繋がる手段のひとつと思っているのだと思います。社会に出た後、親以外の人と繋がる時も不安と寂しさをベースに人と繋がろうとします。
●ゴミ屋敷に主人の心理
直接的には人間関係には関係ないのですが、ついでに。
「モノが捨てられなくて困ってるんですぅ」程度であれば問題はありませんが、ゴミ屋敷にまでなってしまうと問題になります。なぜゴミ屋敷になるまでモノをため込んでしまうのか?
幼少期に大切な存在(人、ペット、モノ)が自分から死別などで離れて行ってしまった時に、自分の中の安全基地が奪われてしまったような耐え難い喪失感を感じてしまった経験がある方がほとんどです。
例えば両親は厳しかったけど、おばあちゃんだけは寛容で自分を受け容れてくれていた時に、おばあちゃんが無くなるのはとても大きな喪失感です。
また大切に愛していたペット(犬、猫、ハムスター、金魚等)が無くなってしまった場合も、同じように不快喪失感を感じることがあるでしょう。
この喪失感は心の痛みなのです。そして、それをモノを拾ってくることによって穴埋めし傷を癒そうとしているのです。自分から物が離れていくことは、耐え難い喪失感なのです。
●整形したい人の心理
「自分は醜く間違っている。整形すればきっと愛されるはず」という思い込みがあります。自分には何も誇れるものもないという無力感に支配されていますが、見た目が良くなれば周りの人から愛されるのではないかと思ってしまうのも無理はありません。
私もプチ整形程度なら何の問題もないと思います。それで少しだけでもコンプレックスが減るのであれば良いのではないでしょうか。プチ整形程度であれば、割と肯定的です。
心配なのはマイケル・ジャクソンやデッド・オア・アライヴのボーカル、ピート・バーンズのように整形依存症になることが心配です。
ちなみにマイケル・ジャクソンはその家庭環境から類推すると愛着障害だと思われます。
でもね、外見の美しさで人を引き付けられるのって若いうちだけ。しかも集まってくるのはルッキズムを肯定する人だけ。やがてあなたが年老いた時にその人の審美眼には叶わないようになりますよ。
やり過ぎないように、ほどほどにしましょうね。
その他の精神的な問題
リストカット(リスカ、アムカ、レグカ)や摂食障害(拒食、過食)、不眠症なども、愛着障害と密接な関係があり、それらは「本当は愛されたい!」「受け入れられたい!」「肯定的に扱われたい!」という心の叫びでもあります。
●リストカット
リストカットは痛みによる繋がりと安心が得られるような気がして(後述の反転した愛着反応)、ついついやってしまうのです(実際は痛みはさほど感じていない。心の苦痛の方が大きいので)。あるいは「未処理の怒り(悲しみ)」を溜め込んでいますので、その発散方法のひとつとして破壊を選びます。抑圧された怒り(悲しみ)が爆発している状態です。
●拒食(摂食障害)
拒食は否定を多くされたりした経験と太っていると愛されないの両方の思いがある時に発動します。口うるさい人(ほぼ否定的)が身近にいて支配してこようとする時の反応としての拒絶です。なにも取り入れたくないという心の状態の表れなのです。
●過食(摂食障害)
過食は「不足感」「満たされなさ」の現れです。ごはんがたくさん食べたいわけではありません。心の空虚感を穴埋めしようとしているのです。本当は、取り入れたいのはのは愛と繋がりです。
●不眠症
不眠症も愛着から考えると、怒られた、嫌われた(つまり愛されなかった)ということが頭から離れずにイライラしたり悲しんだりと心が休まらない状態なのです。イライラしたり悲しんだりしながらぐっすり眠りに付くのは難しいので入眠障害となります。不安症の場合は寝つきは良いのですが、眠っている間にも心の中の不安感がザワザワし始めて、早朝覚醒をしてしまうことになります。
●不登校、引きこもり、ニート
対人関係が上手く行かないと不登校、引きこもり、ニートになる可能性が考えられます。仲間に入れなかったり傷つけられる体験が多いと、これ以上傷つきたくないので対人関係を避けようとするのです。愛着の傷を癒し、人との関わり方を学ぶことでこの問題を解決することができます。
●煽り運転
普段はおとなしいのに、車に乗ると人格が変わったように運転が荒くなったり他の車に対して怒ったりする人や煽り運転をする人は、心の中に未処理の怒り(悲しみ)を溜め込んでいます。クラクションを鳴らされたり前に割り込まれたりすると、「バカにされた!」「下に見られた!」という劣等感が発動するのです。また、車という安全で守られた空間に居ると、反転して優越コンプレックスが出て自分が偉くなったような気がするため、怒鳴ってしまうのです。
●自称HSP
自称HSP(Highly Sensitive Person)、つまり「生まれつき非常に感受性が強く、周囲の刺激に敏感な気質を持つ人」と自分で思い込んでいる方のほとんどは、実は愛着障害で「自分は傷つきやすい」のをHSPと思い込んでいるだけです。
HSPは光や音、匂いなどに過敏で、共感性が高く、深い洞察ができるということなので、「傷つきやすい」とは直接的には関係ないのです。
境界性パーソナリティ障害
愛着障害は境界性パーソナリティ障害(BPD: Borderline Personality Disorder)と密接な関係があります。愛着理論をベースにいくつかの要因が重なった時に境界性パーソナリティー障害となります。
特徴は、見捨てられることへの強烈な恐れ、不安。自分を受け容れてくれそうな人がいると相手を理想化し大好きになりますが、少しでも拒絶されると大嫌いになります(感情の動きが極端)。怒りが抑えられず相手を攻撃し続けます。でも、もとの関係に戻りたい・・と思い戻ろうと画策するのですが・・
当然、相手からは拒絶されますよね。自分でもこの矛盾に疲弊してしまうのです。
アイデンティティの混乱。空虚感。怒りのコントロールが困難で爆発してしまう。衝動的な行動など。
境界性パーソナリティー障害は人格パターンの問題として扱われます。
(他者に害を与える行為、行動等)
※詳しい診断は、詳しいお医者さんにお願いしましょう。
境界性パーソナリティ障害の方は論理的に物事を考える訓練と、メタ認知の訓練をすることで軽減されます。
条件付きの愛
存在すること自体を笑顔で迎え入れてくれることが、全肯定的な愛です。今、思い浮かべてみてください。
あなたが何か努力したわけでもないのに、全肯定的に喜びと共に迎え入れてくれる人がいたら、そういう場所があったら安心しませんか?
良い子にしてたら褒められた。お片付けができたから褒められた。優秀な成績を取ったら褒められた。というのは「条件付きの愛」です。上記の「褒められた」をもう少し解像度を上げて話すと、親が笑顔になった。受け入れてくれる表情になったと読み替えることができます。
受け容れてくれる顔になってくれると、それは愛されていることになるので安心感を得ることができ、自己価値を感じられるようになるのです。
つまり「頑張らない自分には価値がない。愛されない。愛されるためには優秀で在り続けるしかない!」と思い込むようになり、無理して頑張り続けてしまうようになってしまいます。
人間関係の中で奇跡的に無条件で愛される経験があっても、それは空虚で受け入れられないものとなってしまうのです。「自分は自分のままでいい」と思えず、もっと優秀にならなければと焦ってしまいます。
失敗したり、間違ったり、何かをこぼした時に親が怖い顔になった。拒絶の顔になった。そうすると失敗恐怖症になります。
逆転した愛着反応
通常、愛とは思いやり、優しさ、受け入れる、寛容さ、尊重、信頼、見守るということになります。幼少期から両親にそのように接して貰った子供は、自分でもそれが心地よく感じ、そして他者(友人など)に接する時にも、思いやりを持って接することができるようになります。そうすれば人間関係はなんなくスムーズに良い関係性が築けます。
しかし、愛着は時に誤学習も行われます。「逆転した愛着反応」と呼ばれるのですが、否定、支配、抑圧、拒絶、ネグレクト、精神的虐待、肉体的虐待、性的虐待などを通して親と繋がっていた場合には、それが愛のカタチなんだと認識してしまうのです。
つまり「人と繋がるためには痛みや苦痛が必要」と学んでしまうのです。
いつも忙しくしていて構ってくれない両親が、叱る時だけは自分のものになる。自分だけを見ていてくれる。叩かれて痛いけど、この瞬間は繋がりを感じられる、という感じです。
支配され抑圧されるのは凄くツラいのですが、その間は繋がりを感じられるので、支配を受け容れてしまうのです。
程度問題もありますが「愛=苦痛」と学習してしまうと、無条件の愛なんて絵空事の空虚なもののように感じますので、愛を受け取ることが難しくなります。愛を受け取るための受容体が発展していませんので、なかなか受け取ってくれません。
これは後にDV夫と尽くす妻のように、一般的には明らかに正常ではないように見える関係へと発展していきます。本人たちの中では支配と被支配でお互いに繋がりを得ようとしている状態です。
テスティング(testing)
テスティング(testing)とは「愛のお試し行動」のことです。自分がどこまで愛されているのかを知るために、相手がちょっと嫌がることを言ったり、そういうことをしたりします。嫌がることをしても相手が怒らなかったり、離れて行かない時には「自分は受け入れられている」と安心感と喜びを感じることができます。
しかし、大抵の人は嫌がらせをされると怒るので、その反応をされて傷つきます。
自分から種を蒔いているのに、自分が傷つく・・。良くないことだと分かっているのに、人と繋がる方法が分からず、愛着障害の方は無意識でやってしまうのです。
性的逸脱
ん~!
ここに書きたいのですが、性的な内容とグロテスクな表現が多く含まれますので、アダルトな内容とグロが不快な方のためにページを分けます。(性的虐待、SM(サディズム、マゾヒズム)、ロリコン、カニバリズムなど)
興味のある方だけ、覗いてみてください。
![]() | 愛着障害と性的逸脱の関係。性依存症、SM、ロリコン、カニバリズムはこちら |
改善方法
愛着障害を癒すということは、深く深く心に傷を負い、孤独と孤立の中に居る人が、安心で安全な愛着を再構築するということですから、一朝一夕で改善するような簡単なことではありません。
しかし、改善は必ずできます。何年かかろうと何十年かかろうと、改善することは可能なのです。
初期段階では、愛情深く見守ってくれ共感してくれる信頼できるセラピストを探すのもありでしょう(セラピューティック・アライアンス)。しかし、訓練されたセラピストを見つけないと簡単に共依存になりかねませんので気を付けましょう。また、クライエントさん側の要求が徐々に大きくなってくると、やがていつかはセラピスト側もやんわりと断ることになるでしょう(例:デートしてくれませんか?等)。
そして、断られることにより、やっぱり心は傷つきます。
最終的には誰かに頼らず、自分で癒す方が良いでしょう。誰にも頼るなということではありません。もちろん、心理カウンセリングやその他の学習で「癒し方」「やり方」を学ぶことは重要ですので、そこは頼って大丈夫です。
①自己理解
まずは、愛着障害を理解することにより、自分の感情の動きや行動パターンが左右されていたことに気づく「自己理解」から始めましょう。「自分は無条件で愛されたかったんだ」ということを知ることがスタートです。
②フォーカスを変える
自分がして貰えなかったことではなく、自分がして貰えたことにフォーカスする。悪い出来事ではなく、良かったことにフォーカスし、感謝する。不安よりも、今生きていることに感謝する。
③自分を愛する
無条件で愛されてよいという許可を、自分が自分自身に与える。
自分に優しくする。
④社会への適応
自分から相手に優しくしてみる。自分から相手を褒めてみる。
これまでは「愛されたい」からの行動だったが、これからは「愛というものを周りに与える」という実践の中で、人との繋がりを回復することにより、安心できる「安全基地」を自分の中に作り「痛みがなくても人と繋がれる」という体験、「喜びや与え合いの中で人と繋がれる」という体験を増やし、安全基地を確固たるものにしていく。
⑤自己肯定
自分はちゃんと人と繋がれたことを肯定し、認める作業。
まとめ
そんなに大きく虐待された覚えがなくても、両親がいつもイライラしていたとか、忙しすぎてあまり目をかけて貰えなかったことなどでも愛着形成が上手く行かないことがあります。
またヤングケアラーで、本来ならお世話をしてもらう立場の人が、若くしてお世話をする側に回らざるを得ず、子供で居られなかった場合も愛着障害になる可能性があります。
いずれにしても本質的に心の問題を解決するには愛着を癒すことが必要になります。
これは薬を飲んでも解決しませんし、話を聴いて貰うだけでは解決しません。解決するためには「愛と繋がり」を自分で感じられるようになるしかないのです。
Author:水元和也
![]() | 心と人生の変え方 TOP |
![]() | セラピールーム・ソラ TOP |
![]() | 前のページに戻る |





