機能脳科学とは?|機能脳科学編

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機能脳科学の世界観を探ってみよう

この章では機能脳科学から見た世界観を書いていきます。
機能脳科学が目指しているところと、ブッダが目指しているところ、アルバート・エリスが目指していたのは同じところだったのです。
少し難しいとこともありますが、理解できるようになると、すごく合理的な脳が手に入ります。
楽しくお勉強してみましょう。

●これまでの脳科学
●これからの脳の解明
●機能脳科学
●機能脳科学的に心を解明する
●論理情動行動療法
 アルバート・エリスのご紹介
●ブッダの教えに見る機能脳科学
●苫米地氏との違い

これまでの脳科学

脳科学(brain science)
20世紀から医学や科学の世界で脳の不思議な振舞いの研究はされてきましたが、数百年あまり研究してきた結果、未だに完全には解明できていません。
20世紀では、解剖学的に脳を物質として研究してきました。
右脳と左脳の違いや、それを繋ぐ脳梁の太さ。脳幹、小脳、大脳、偏桃体、松果体の役割などを推測し、計測しながら研究を進めてきたのです。


これからの脳の解明

21世紀は“脳の時代”と言われています。
脳が解明できれば、科学は飛躍的に発展すると思います。そして、解明の仕方が変わってきました。

脳を物理的な物質と見なして研究するのではなく、脳の振舞いを研究しているのです。
それをされるとなぜ悲しいのか? それを言われるとなぜ怒るのか? それがあるとなぜ嬉しいのか?等の、トリガーとそれに対する反応を見て行くのが「機能脳科学」なのです。
この機能脳科学的な考え方は「心」の正体を掴むうえで非常に重要です。

「やる気がある人」と「やる気がない人」の違いは何か。
やる気がなかった人が、やる気を出して何かを成し遂げた時に、何が起こったのか。
それを知ることで、私たち人間は自分を知ることができますし、自分をコントロールできるようになるのです。


機能脳科学

機能脳科学(functional brain science)
脳を物理的な物質と見なすのではなく、function(関数)として脳の機能を探るのが「機能脳科学」です。
二つの変数 x と y があり、入力 x に対して、出力 y の値を決定する規則が関数です。


機能脳科学的に心を解明する

これを人間の心に当てはめて考えると、xとyの間に信念(belief)という(個に備わった)規則性があることがわかります。
怒られる→(信念)→落ち込む
怒られる→(信念)→むかつく
怒られる→(信念)→気にしない


このように、信念により出力が変わってくるのです。
この信念という固定化された個に備わった規則性を変更し、より有益な信念に書き替えることが、セラピールーム・ソラで行っている心理カウンセリングなのです。
それにより、生きやすくなったり、自由になったり、人生を楽しめるようになったりするのです。


論理情動行動療法

アルバート・エリスが提唱した「論理情動行動療法(REBT)」もほぼ、同じ概念です。
ABC理論で考えるとAが「変数 x」でCが「変数 y」にあたります。

●アルバート・エリスのご紹介
彼は短期治療法を信じ、ジークムント・フロイトによる時間のかかる手法に挑み、アーロン・ベックによる別の技法(認知療法)と共に、今では認知行動療法と呼ばれている分野の基礎を築いた。

アメリカの1982年の臨床心理学者への世論調査では、その分野に大きな影響のある人物としてフロイトを抜いて2位に選ばれた。
1位に(来談者中心療法の)カール・ロジャース、3位に(精神分析の)ジークムント・フロイトが挙げられた。
また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。
ar論理情動行動療法の詳細

ブッダの教えに見る機能脳科学

機能脳科学は実は2500年前に完成しています。
ブッダが開発したのが論理療法です。
「人間ってこういうものだよねぇ」ではなく、「論理的に考えてこう生きるのが正しい」と主張しました。
感情に振り回されるのではなく、人としての在り方を説いたのです。
嬉しいとか楽しいとか、不安とか、嫉みとか嫉妬などに突き動かされるのではなく、この世の中を、ありのままに正しく見ること。
これがとっても難しいのです。ですから、正しく見るという修業をしたのです。
そして、それができるようになった人が、「目が覚めた人」となるのです。

つまり、ブッダの目指したところと機能脳科学が目指しているところは、ほぼほぼ同じ場所なのです。
ブッダは個の心に対して、こうあるべきと説きました。機能脳科学はもう少し普遍的に全体をざっくりと掴もうとしています。


苫米地氏との違い

物理学に例えると、苫米地氏は理論物理学。「理論上はこうなります」「計算上はこうなります」という論理を打ち立てる人。当然、とても頭が良い人しかできないのです。
理論物理学についてはアルバート・アインシュタイン博士を思い浮かべて貰えばわかりやすいと思います。「もし、私が光の速度で進んだら、きっと時間は遅くなるだろう」というやつです。
論理性はあるかも知れませんが、実験はなかなか難しそうですね。

臨床の現場で働く私たちは、その理論をもとに実験している実験物理学者に似ています。その理論が正しいかどうかを実際の現場で実証しようとしているのです。

どちらが偉いとか、どちらが素晴らしいということはありません。
向き、不向きの問題です。
頭の中であれこれ考えて、正しい(正しそうな)理論を導き出す人も必要ですし、実際にその理論をもとに、実証する人も必要なのです。

苫米地氏の本を読んでもなかなか成功を手に入れられない人がいらっしゃるかもしれませんが、落ち込む必要はありません。理論的には苫米地氏の言っていることはとっても正しいのですが、苫米地氏はもともとエフィカシーが高いので、引っ張り上げるのは得意なのですが、優しく背中を押しすのは得意じゃないだけです。

論理的にはとても正しいので、本を読んだり話を聴いているととても楽しいのですが、現実に応用するのがとても難しいこともあります。
ですが、もし実践できたら大きな成果が期待できると思います。




Author:水元和也


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