心理学(psychology)
心に悩みがあったり、人生が上手く行っていない時に、皆さんの多くが「心理学」に興味を持ち、心理学を勉強しようとします(私もそうでした)。
しかし、心理学の本をいくら読み漁っても、人生を上手く乗り切ることはできません。
なぜなら、心理学は「どのような問題なのか?」「この問題はどこにカテゴライズすべきか?」は学べますが、「この問題はどうやれば克服できるか?」の答えを書いていないのです。
心理学とカウンセリング
ここで、「心理学」と「一般的なカウンセリング」と「セラピールーム・ソラの心理カウンセリング」の違いを説明しておきます。
テレビのたとえ
私たちがテレビを見たいと思ったときに、テレビの受像システムを理解する必要はないのです。リモコンを持って、電源ボタンを押せばとりあえずテレビは映ります。
(1)心理学
問題:「テレビが見たいんです」
そこで心理学者は「いいかい? テレビはなぜ映るんだと思う?電波を送信している送信塔があって、そこから電波を発信しているんだ。そして、キミが持っているテレビジョンというのはその電波を受け取って映像として映し出しているんだ。それでね、電波というのはパケットごとに送ることができる。4Kテレビはそのパケット量がとてつもなく多い。それを各家庭に届くように常に電波を発しつづけているんだ」と話し始めます。
さて、そんなこと知っていたところで、テレビのつけ方はわかりません。
心理学とはこのようなものです。
(2)一般的なカウンセリング
次に一般的なカウンセリング。
「テレビが見たいんです」
「そうなんですね」
「どうやって見れるかわからないんです」
「なるほどですね」
「本当に困っているんです」
「それは辛いですね」
「はい…」
(3)セラピールーム・ソラの心理カウンセリング
「テレビが見たいんです」
「そうなんですね。どんな番組を見たいんですか?」
「音楽番組です」
「なるほど。リモコンに赤いボタンがあります。電源と書かれたボタンを押してみてください」
自動車運転のたとえ
自動車の運転が上手くなりたい時に、自動車修理工に聞いても無駄です。レーサーに聞くことです。
(1)心理学
問題:「レースで優勝したいんです!でも、コーナーで怖くなってブレーキを踏んでしまうんです」
そこで心理学者は答えます。「いいかい。車で速く走るコツはいかに早くコーナーを抜けるかにかかっているんだ。つまりコーナリングの技術が問題になる。コーナーぎりぎりまでブレーキを踏まずに、コーナーを抜けるときにはすぐにアクセルを踏むと良いんだよ」
(2)一般的なカウンセリング
「コーナーが怖いんです」
「なるほど、怖いんですね」
「はい。どうやったら怖くなくなりますか?」
「そうですね。みんな怖いと思いますよ」
「それはわかります。どうやったら怖くなくなりますか?」
「怖いと思うのは正常ですよ。気にしなくて良いのでは?」
(3)セラピールーム・ソラの心理カウンセリング
「コーナーが怖いんです」
「恐れを克服したいんですか?」
「はい」
「何のために?」
「優勝したいんです!」
「素晴らしい目標ですね。恐れを克服するためには経験が必要です。もしかして、恐れのあまりにスピンしないように頑張ってませんか?」
「はい」
「どのくらいのスピードでコーナーに突っ込んだらスピンするのか。そして、スピンした時にできるだけ安全に走行する経験を積みましょう。まずは、わざとスピンをたくさんしてください。ある一定のスピンの経験をしたら、今度は最高のコーナーリングをイメージしながら走行してみましょう」
このように、どのような問題に対しても最適解を出して行くのがセラピールーム・ソラの「学ぶ心理カウンセリング」なのです。
コンサルティングに近い考え方ですね。
植物学者と庭師
以前、経済学者の竹中平蔵さんが、経済学者と政治家の違いのたとえ話を言っていました。
「植物学者はあらゆる植物を知っているけど、庭師のように上手に植えられるわけではない」
なるほど、的確な例えですね。
庭師はある程度の知識しかありませんが、「この気候でこのような環境なら、このような植物を植えた方が、美しいし長持ちする」ということを経験上知っているのです。
心理カウンセラーは庭師のようなものです。
そして、セラピールームソラの心理カウンセラーは、常に質の高い庭師で在ろうと考えています。
宇宙飛行士のたとえ
これも、同じような例えです。
宇宙物理学者は、本当の宇宙の美しさは知らない。
宇宙物理学者は宇宙のことについてはエキスパートです。宇宙という環境の厳しさを理論上は知っています。しかし、一度も宇宙に行ったことがないので、その実際はあくまで想像でしかないのです。
宇宙飛行士は肉体的訓練、精神的な訓練を積み重ね、実際にロケットに乗って宇宙を体験します。宇宙がどのような場所かを、経験を通して知っているのです。
そして、宇宙から見る地球の美しさを知っています。
私たちは、映像ではその光景を見ることができます。
しかし、実際に宇宙に行って、肉眼で見たのとはまた違った経験なのです。
経済学者のたとえ
経済学に詳しい方はたくさんいらっしゃいます。10人の経済学者がいれば、10通りの考え方があります。
例えば、ケインズ政策を簡単に言うと「経済を活性化したければ、穴を掘って埋めろ」という考え方です。
これは、正しい考え方とされ、今の日本でも取り入れられています。ダムを作ったり無駄な公共事業に巨額を投資しています。
しかし、もしそれが本当に正解なのであれば、貧困国はなくなるはずです。
学者の言うことは、理想論に過ぎないこともたくさんあるのです。
権威に騙されないようにしましょう。
心理学は、ほぼほぼ無駄
みなさんが心理学者になりたいのであれば、「心理学」を学ぶことはとても有益です。
しかし、みなさんのほとんどは心理学者になりたいわけではなく、自分の人生が楽しく自由に生きられれば、それで良いと思っていらっしゃるのではないでしょうか。
心理学というのは、どこかの頭の良い学者先生が現実を見ずに「理論上、こうですよね」と考えているだけに過ぎないのです。
「心理学なんて、まったく無駄!」とは思いません。
心理学の中でも便利なものもありますし、基礎理論としてはそうだろうなぁというものもあります。しかし、それは知識としての勉強のためには面白いなと思うだけであって、実際に「人間はどのように適応的に生きるべきか?」ということを示唆しません。
(1)頭は良いけど、人生がツラい。
(2)何も考えてないけど、人生は楽しい。
どちらの人の方が、適応的に生きられるでしょうか。
答えは明白です。
人生を生きるコツは、心理学にはありません。
人生がツラい方、生きづらい方、心理的に苦しい方は、心理学ではなく「生き方」を学びましょう。
Author:水元和也
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