イヤな記憶を消す方法

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嫌な記憶や、
止められないグルグル思考

時に人は過去の記憶に悩まされます。
過去に失敗したことや怒られたこと、バカにされたことなど、思い出したくもないのに自動的に頭に浮かんできて、とても嫌な気持になることもあります。
この記憶は、怒りや悲しみといった感情と共に保存されています。

失敗したことや怒られたことをグルグルと思い出して嫌な気持になっていると、だんだんと自信も失われていきます。このような記憶に悩まされていても大抵の人は記憶を自分でコントロールできないためイヤな気分のまま日 常を送ることになります。

また、事故に巻き込まれたりしたことがふと頭に甦り不安な気持ちになる急性ストレス障害や、時間が経っても消えない心的外傷後ストレス障害(PTSD)などもあります。
しかし、記憶やグルグル思考はコントロールできるのです。

過去のイヤな記憶を忘れられるように、色々な考え方とテクニックを書きました。
順を追って説明していきますので、少しでも早くイヤな記憶を手放し、過去から解放されましょう。


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記憶のできるメカニズム

記憶をコントロールするために、まずは記憶のできるメカニズムを考えてみましょう。
記憶には数分から1日程度で消える短期記憶、1週間~1カ月程度で消える中期記憶、1カ月以上残る長期記憶があります。

長期記憶に残すためには2つの方法があり、その一つはエピソード記憶(ストーリー記憶)。例えば失敗した記憶であればストーリーに沿って失敗する前から失敗した後までの一連の流れを覚えています。その時に失敗のことをとても恥じている場合は感情と結びつき、実に鮮明に思い出してしまうのです。怒りや妬み、悲しみ、恐怖といった感情と結びついても同じでリアルに思い出してしまいます。

長期記憶に残すもう一つの方法は繰り返すことです。反復することで記憶は固定化します。漢字を覚える時と同じで繰り返すことで長期記憶されるのです。逆に使わない漢字は忘れてしまいます。
不条理に叱られたことや傷つけられたこと、認めて欲しいのにそうならなかったことなどは納得の行かないので、何度も何度も思い出す「グルグル思考」に陥り安く、思い出すたびに記憶は強化されます。


脳のニューロンとシナプス

脳科学的に見ると記憶というのは脳の中のニューロンの表面を流れるインパルスという微細な電気信号で再現されています。ニューロンのネットワークは何度も思い出すとその度に繋がりが強くなるため忘れづらくなります。そしてネガティヴな感情と結びつくことでネットワークの繋がりはさらに強くなります。

私たちの脳はバイオ・コンピュータです。
しかし、私たちが使っているパソコンと違い、学習能力があり、形を変えることもできます。シナプス同士は軸索で繋がりネットワークを築いているのですが、電気が流れれば流れるほど強化されていきます。
小学校の理科を思い出してみて下さい。太い銅線は細い銅線よりも電気を流しやすくなります。毎日何度も使っている回路には電気が流れやすくなります。これがすぐに思い出してしまうメカニズムです。
逆に普段使わない回路は、必要ないと判断され、切れていくのです。



脳は意外と忘れっぽい

嫌なイメージを思い出して苦しむ人は沢山いると思います。
思い出したくないこと、傷ついたできごとが頭の中で何度も再生され、落ち込んだり嫌な気分のままに過ごすことになってしまいます。
ネットで調べると、ほとんどの方が特定の記憶を消すのは難しい、あるいは不可能だと仰られてます。

しかし、そんなことはありません。
嫌な記憶を消すのは、すごく簡単なのです!

本来、記憶というのは実に不安定で、一生懸命に覚えておこうと思わなければ、すぐに消えてしまうものなのです。
今まで見てきた漢字を全て書ける人はいらっしゃいませんよね?
知り合いの電話番号を10件覚えている方も、そうはいません。
毎日、何度も見ている自分のケータイ電話の形状を、細部までハッキリと記憶している人も少ないと思います。
自分の使っているスマートフォンのアプリの並び順を全部覚えていらっしゃる方も少ないでしょう。
これから新しい漢字を覚えるために、どういう方法をとるでしょうか?
たぶん繰り返し、何度も書いて覚えるのが一番良い方法だと思います。
つまり、繰り返し思い出さなければ、ニューロンのネットワークは切断され、記憶から抹消されてしまうのです。



ここで質問です。
(実際に思い浮かべてみてください)
「3日前の晩ご飯、何を食べたか覚えていますか?」
ほとんどの方が覚えていない(なかなか思い出せない)と思います。
このように人間の脳は、もともと優れた忘却能力があり、とても忘れっぽいのです。

なのに、なぜ、イヤな記憶やイメージだけ固定化されて、頭から離れていかないのか?
ひとつは危険なことを回避するため。
危険な目にあってもすぐに忘れてしまったら、また危ない目にあってしまう可能性が高いのです。なので、記憶として留めようとします。

もうひとつは、納得できていないため。不条理なことを言われたり、不条理なことで怒られたりすると納得が行きません。納得が行かないからこそ何度も思い出してしまうのです。

そして、怒りや悲しみ、モヤモヤした気持などの“感情”と結びつき、さらに忘れづらくなってしまっているのです。

記憶は、脳の機能上、何度も何度も思い出せば、ニューロンの繋がりが太くなって行きます。ニューロンの繋がりが太くなれば電気は流れやすくなりますので、すぐに思い出せる様になるものなのです。
また、ストーリー仕立てになっているものも覚えやすいのです(これをエピソード記憶と言います)。
例えば小さいときに聞いたことのある桃太郎や浦島太郎などは、大きくなっても大筋のストーリーは覚えているものです。


イヤな記憶を消す方法

嫌な記憶やイメージに苦しめられないためにできることはいくつかありますが、主に下記の2つが大切です。

(1)記憶を飛ばす(サブモダリティ・チェンジ)
(2)ネガティヴな性格からプラス思考へ(性格を変える)


(1)は単なるテクニックです。表面的なアプローチですが、即効性はあります。
(2)は本質的な改善なので、本来は(2)の方がすごく重要です。
しかし、本質的な改善には時間がかかります。考え方や性格を変えられるよう、じっくりと時間をかけて取り組んでみましょう。
イヤな記憶がつきまとうというのも症状です。“症状”というのはお知らせメッセージですから、それをきっかけにして、マイナス思考を止めるという自分改革が大切なのです。

それではご説明します。


まずは(1)のテクニック編

●切断する
人間は生きていればたくさんの失敗をやってしまいます。もちろん、私も皆さんと同じようにたくさんの失敗をやらかしてきました。
しかし、いくら考えたところで、その失敗がなかったことになるわけでもありません。
昔から、日本のことわざにもある通り「後の祭り」「覆水盆に返らず」なのです。
やってしまったことはしょうがない。
頭の中の声や映像に「うるさい!」「しゃーない!」「あっち行け!」と言ってみましょう。
映画のように、最初から最後までその映像を上映する必要はないのです。
映像が流れ始めた瞬間に、「あっち行け!」って言って、切断することが大切です。

●“思い出さない”を繰り返す。
記憶を思い出す場合、大抵の人は“映像”が優位です。
リアルにフルカラーで頭の中で映像を思い出しているのではないでしょうか。
次に音声(誰かの言葉など)。
最後に身体の感覚(触覚や匂いなど)。

嫌なイメージを思い出してしまう人は、思い出した時に、その映像をまるで映画が再生されるように最初から最後まで味わっていませんか?
時には尾ヒレまで付けて、さらに嫌な気分になるようにしていませんか?
その映像をじっくりと味わう必要はないのです。

イヤな記憶はすべて過去のことなのですから、リアルに思い出して、その声や映像に付き合う必要などありません。
頭の中で映画が再生され始めたら、その瞬間にその映像を“白黒”にしてください。
そしてその映像に“ボカシ”をかけてください。
それから小さくして、遠くに放り投げてしまいましょう。

その時に頭の中でガンガンに音楽をかけてください。
できるだけ楽しい曲で、歌える曲がいいですね。
頭の中で、大きな声で歌ってみてください。
実際に声を出して歌ってみるのも良いと思います。

「♪イケナイコトかい~ 傷ついても~♪」
私は岡村靖幸さんや山下達郎さんに助けられました。
歌っている間は、嫌な記憶は近づいてきません。

映像も見ないようにし、声も聞かないようにする。
たった、これだけ。
“思い出さない”を繰り返していれば、ニューロンのネットワークは切れ、どうやっても漢字を思い出せない時と同じように、あるいは外国の歌手や俳優の名前が思い出せないように、嫌な記憶も思い出せなくなります。


●木の葉に乗せて、川に流す
眼を閉じて、美しく流れる小川をイメージしてみてください。
そして、一枚の木の葉の上にあなたのイヤな記憶を乗せて、流してしまいましょう。
木の葉に乗ったイヤな記憶が流れて行ってしまうイメージをしてみてください。
その時に、一緒に感情も流していきましょう。
怒り、苦しみ、悲しみなどの感情と一緒に、木の葉を川に浮かべ、流していくとスッキリします。
このワークは、過去との決別宣言です。
「もう、自分には必要のない記憶」として、過去の記憶と決別してしまいましょう。
寝る前に、ベッドの中などのゆったりできるところでリラックスして取り組むと効果的です。


(2)の本質的な性格改善

傷つきやすい性格だったりすると、常に新しく消したい記憶が増え続けます。
直近に傷つくことがあると、過去の傷ついた記憶は薄れていきますが、新しくイヤな記憶がグルグルして、やっぱりイヤな気持ちになってしまいます。
これでは幾ら消してもキリがありません。
これは「心の癖」「思考の癖」です。
自分の思考パターンや思考の癖に気づいたら、その癖を止めることが大切です。

どうやって止めるか?
●自己受容
まずは、自己受容することのできる性格にしましょう。
嫌なイメージを思い出したときは「ま、いっか!」と言ってしまう。
過去のことは過去のことと、割りきってしまう。
自己肯定的になり、自分の味方になること。
失敗したことや間違ったこと、上手く行かなかったこともあるでしょう。誰かに何か言われて憤慨することもあったでしょう。
しかし、それらは全て過去のことなのです。
自分に言ってあげましょう。
「もういいよ。 すべて過去のことだよ」
「もう、終わったことだよ」


●過去を手放す
時には納得の行かないこともあるかも知れません。
しかし、この世の中は自分の思い通りにならないこともあるのです。
あなたの身に起こったことはとても不条理なことなのかもしれませんが、その思いを抱えていて苦しいのは自分なのです。
諦めて「手放す」ことも大切なことだと思います。

●対人関係を学ぶ
彼氏や彼女、パートナーと別れることになってしまい、とても悲しい想いをすることもあります。しかし、終わった恋に執着してしまうと前に進めなくなってしまいます。
誰かと別れるということは、ひとつの区切りとしての終わりです。そして、そこからまた新しい人生が始まるのです。
別れた人のことにいつまでも執着していても、過去は覆りません。
過去の失敗に学び、次に出会った人と上手く対人関係を築くために、対人スキルを磨く必要があるでしょう。悲しみから立ち上がり、新しい人生のために学びましょう。

ar 対人関係、人間関係の作り方

●自分の弁護士になる
自分が自分の味方になることは大切です。
世の中には「弁護士」という職業があります。弁護士さんの仕事は、その人の味方になり、何とか守ろうとすることです。断罪するのではなく、自分が自分自身の弁護士になって守ってあげてください。
自己肯定感を持つだけで性格は大きく変わります。どんな時にでも自分を肯定するように訓練してみましょう。

●フォーカスを変える
イヤな記憶を思い出してしまう方は、脳みそがヒマなのです。考えるべきことがなくなると、自分にとって重要度の高い順から思い出します。

3日前に食べたの晩ご飯の内容やスマートフォンのアプリの並び順などは、自分にとって重要度が低いので、すぐに忘れてしまいます。ゴミ捨ての日は、生活上、少し重要ですので、少し覚えています。

フォーカス(焦点)を変えて、常に楽しい事や、今、やるべき事を考える癖を付けることも大切です。脳みそをヒマにしないこと。マンガやアニメや映画を思い出しても良いですし、もっとクリエイティヴなことに脳を使うようにしてみてください。
海外旅行の計画を立てても良いですし、夕飯の献立を考えても良いのです。
“自分が考えるべきこと”を考えることで、人生はもっと充実したものになります。


性格を根本から見直す

ネガティブな記憶を溜め込んでしまう人の特徴として、自分のことが好きではなかったり、自信がない方が多いと思います。
そういった方は自尊心が低いため、自分に不都合なことや不利益なことを思い出してしまいます。

傷ついたこと、イヤだったことを思い出すのはそのまま自分への攻撃になっています。そのためストレスが増大し、ますます鬱傾向がひどくなってしまうという悪循環があります。
傷ついたことを思い出す。思い出すことでまた傷つく。ストレスが溜まる。悲しくなる。自尊心が低くなる・・・この無限のスパイラルを抜け出すために、しっかりと自我を整え、強い自分になりましょう。
そのためには様々な正しい知識を学ぶことです。

私たちは知らないことは何もできないのですから、知ればいいのです。
そして正しい考え方を身に付け、自己肯定感や自尊心を育てる必要があります。
思い当たる方はアダルトチルドレンのページもご覧下さい。


他にも方法はたくさんあるのですが、
ここでご紹介した方法が、自分ひとりでわりと簡単にできる方法です。
お試しあれ。
さらに詳しいテクニックにご興味のある方は、私の書いた書籍、「思い出したくもないイヤな記憶にサヨナラする本」をお読みください。

ar 本の詳細はこちらでご確認ください

オーディトリー・スイッシュ

一応、他の方法も簡単に触れておきましょう。
音声イメージが優位な方は、怒鳴り声や自分を落ち込ませる声が聞こえてきます。その場合はオーディトリー・スイッシュで、言われたかった言葉に差し替えます。他に、声質や声のスピードを調整してみたりすることもできます。
この内容も本に詳しく書いてあります。

脳は暴走する器官

いつ、どういう時に思い出すのか?
思い出すのは、お風呂に入っている時やトイレ、眠る前や起きた瞬間のベッドの中などが多いのではないでしょうか。
通常は仕事やテレビや本など、外部から絶え間なく情報が流入しているため、脳はとても忙しく様々な情報を処理しています。
しかし、外部からの情報が遮断されると、脳が暴走し始めるのです。
皿洗いとか草むしりとか、あまり頭を使う必要のない単純作業をしている時なども、脳が暴走しやすくなります。
いつもイヤな事を思い出してしまうのは、実は脳みそがヒマなんです。

では、
どういう時は思い出していないのか?
どんな時でも構いませんので、「思い出していない時」を探してみてください。
これは短期療法のひとつ、SFAの「例外を探す質問」と言います。

よく、思い出してみてください。
本を読んでる時や映画を見てる時などの、新しい情報が入力されている時にはあまり思い出していないと思います。
また、好きなこと、楽しいことに夢中なときにも思い出していないはずです。
仕事に忙殺されている時や、カラオケで歌っている時、好きなマンガやアニメを見ている時などは、意外と思い出していないのではないでしょうか。

脳ミソを楽しいことでいっぱいにすると、思い出さなくなりますよ。
その方が楽しいですし、脳にとっても有益なのです。

脳はある程度コントロールできるのです。
放っておくと幾らでも暴走します。脳というのは勝手に暴走する器官なのです。
いい意味でも悪い意味でも暴走します。
夜中に書くラブレターみたいに、楽しい方向でも暴走します。

コントロールの方法を身に付けることが大切なのです。


本質的な改善

感情を消していかないとなかなか消えない場合もあります。
イヤな記憶が消えない原因の根底には罪悪感、劣等感、無価値感、不安感、恐怖感情があります。
それらがあると、表面上の記憶だけを消そうとしてもなかなか上手く行かない場合もあるでしょう。

それは記憶と感情が結びついてしまっているからなのです。こういう方はイヤな記憶をひとつ消したとしても、また新たなイヤな記憶を溜め込みやすいので、本質的に改善する必要があるでしょう。
誰かに迷惑をかけたことを気に病んでいたり、失敗したことをくよくよ悩んで、頭の中でグルグルしていると、さらに、その記憶が定着してしまいます。
こういう方の場合は、アダルトチルドレンのページもご参照下さい。

本質的には、自己肯定的になり、自分の味方になって自尊感情を高めることが大切です。
そうすれば、自信も持てるようになりますし、過去のイヤな記憶につきまとわれることはなくなります。

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死にたい、人生に疲れた

死にたい方、消えたい方、人生に疲れてしまった方、自分のことが大嫌いな方は、こちらもお読みください。
あなたの人生が少しでも自由に楽になれるように懸命に書きました。懸命に書きすぎて長文になってしまいましたが、何かしら人生を変えるヒントになれればと思います。

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過去のイヤな記憶を消す心理カウンセリング

ご自分でできない方は、ぜひ心理カウンセリングにお越し下さい。

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ar心と人生の変え方 コラム

お便りを頂きました。

どうしても忘れたいことがあり「記憶 一部 消す」で検索してこちらのサイトにたどり着きました。自然に記憶が薄まるのを待つのではなく、記憶は意識的・能動的に消すことが出来るということを知り、楽になれました。がんばってシナプスを断絶します。どうもありがとうございました。