
自己評価と自己肯定感
皆さんは「自己肯定感」と「自己評価」を同じものと考えていませんか?
「自己肯定感」と「自己評価」は似ていますが、厳密には全く違うものなのです。
メディアで語られるときには厳密に区別されずに使用されているので
「違うんだよなぁ・・」ということがよくあります。
「自己肯定感(Self-esteem)」は自分が自分自身を肯定し、価値を感じる感覚です。
自己肯定感が高い人は、自分を尊重できていてその価値があり自分の存在に自信を持てるようになります。
自己肯定感は、自己の内面に焦点を当てたもので、他者との比較によって得られる感覚ではなく、絶対的な指標は自分の中にあります。
一方「自己評価(Self-assessment)」は自分の能力や行動、成果に対する判断です。
自己評価は他人との比較や外部からの評価の影響を受けやすく、プラスになったりマイナスになったりと変動します。
また自己評価は単純にポジティブなものだけではなく、ネガティヴなものもあります。
例えば「自分はあの人よりもできていない」「あの人よりも成績が悪い」
というネガティブな評価も、自己評価の一部です。
「自己肯定感高いやつが自慢ばかりしてくるのでウザい」ってお話を聴いたときに
それは、自己肯定感が高いわけではなく、自己評価が高いだけだなぁと思ったことがありました。
自己評価は、自分が自分を評価しているのですが、
これは主観での評価ですから客観的な視点が存在していないのです。
自己評価をする場合には、冷静に客観的に自分を観察する必要があります。
メタな立場に立って認知することを「メタ認知」と言います。
このメタ認知ができていない人の場合は、
外部の人が客観的に見た時に思うことと、
自分が思うことに、差ができてしまうのです。
「自分はダメなんです」→「いや、できてるけど…」
「自分って天才なんですよ⭐」→「いや、それほどでもないけど…」
ということはよくありがちです。
自己肯定感の高い人は、いつも謙虚で冷静です。
決して自慢話をする人でもなく、
上から目線で押し付けることもなく、
威張り散らす人でもなく、
穏やかで心の広い人なんです。
たまに、
「自己肯定感の高い人って、威張ってるじゃないですか?」とか
「自己肯定感の高い人って自慢ばかりしてくるじゃないですか?」と相談されたりしますが、
全くそんなことはありません。
それは、自己評価を上げておかないと、
自分がポンコツというのがバレてしまうことを恐れている、自己肯定感の低い方なんです。
自己肯定感の高い人と言うのは、
自分の素晴らしい部分と自分のポンコツな部分を知った上で、
それを、まるっと自分だと認め、肯定している人なんです。
人間は誰しも完璧ではありませんから、
ダメな部分も、ポンコツの部分もあるんです。
それでいいんです。
それを自分で納得することを、自己肯定と言うのです。
自己肯定感の高い人は
他人から何かを言われたり、評価されたりしても気にしません。
自分が自分をどう扱う方のかが大切だということが分かっているからです。
誤用:
「ダメだしされて、自己肯定感が下がった」という方が時々いらっしゃいます。
自己肯定感は、自分が自分を肯定した時に得られる感覚ですから、
他者から何か言われても下がることはありません。
下がったのは、自己評価です。
このように、多くの方の中で「自己肯定感」と「自己評価」が
明確に峻別されていないのが気になりますね~。
まぁ、似てる部分もありますし、
普段生きていてそんなに明確に分けて考えている方はそんなにいないでしょうから
仕方がありませんね。
今日はここで学んだことをもとに、
この二つを分けて考えてみましょうね。
そして、
自己肯定感はできるだけ高くし、
自己評価は現実に合わせて客観的に判断することが大切です。
(*´▽`*)

メタ心理カウンセリング
セラピールーム・ソラ

