先日は質問にお答え頂き誠にありがとうございました。 今回は、前回の質問で、分からないところが2点ありましたのでそれらについて、お聞きしたいです。
 
まずは、善と愛について。 前回の質問で、善で生きる、愛で生きるとありましたが、よくよく自分で考えてみると、あまりそれらの意味が分かっていませんでした。どうか解説の方お願いいたします。
 
そして次は、嫌われても大したデメリットはない、自分が引きずらなければとのことですが、あまりピンと来ません。果たして、本当に嫌われても大したデメリットはないのでしょうか。確かに先生の話も一理ありますが、私の経験では、嫌われた後、散々な嫌な目にあってきました。陰口や悪口、嫌がらせ、結局それで精神を病んでしまい、私にとって大事なことを諦めざる得ませんでした。
 
なので、自己肯定感を上げても、上げたつもりになって、上に書いたようなことが起きたらまた元に戻ってしまうのではないかと思ったりします。実際、元に戻って病みました。考え方を変えたいのに、矛盾な言い方で、すみません。でもこの考えが、こびりついてなかなか取れないのです。

心の相談室:
かぼちゃ様からの質問です。

 

こんにちは、心理コンサルタントの水元です。
ご質問、ありがとうございました。

 

(1)善で生きる、愛で生きる。

まず「愛とは何か?」を理解しましょう。
このことが理解できると、
後半の「嫌われることは本当にデメリットがないのか?」が
理解しやすくなると思います。

 

「愛」は、よく耳にする聞きなれた言葉ですが、
意外と上手に説明できる方は少ないかもしれませんね。

 

目に見えない、形がない、触れない抽象概念ですから
この「愛」というものを説明するのは難しいものです。

 

ひとつの説明としては、
愛とは、「優しさ」「相手を思いやる気持ち」のことです。
これは、わかりやすいですね。

 

もう一つの説明として
「外向き」「無私の心」です。
意識の全てを相手に向けて、
相手が心地よくなること、
相手が幸せを感じること、
相手が安心すること、
相手が元気になること、
相手が自信を持てるようにすること、などです。
全てのエネルギーを相手のために使うことです。

 

この行為や行動は、「善」ですよね。

 

「自分を愛する」とは、
自分を客観視(メタ認知)し、
自分という相手に向かって
全ての善を行うことです。

 

自分に優しくし、
自分が元気になるためにエネルギーを使うと
自己肯定感が上がって行きます。

 

あ、肯定することも「愛」ですね。

 

ちなみに「愛」の対義語は「欲」です。
自分の心地よさを優先したり
自分だけが得をしようとしたり
自分の意見を押し付けたりするのは「善」ではなさそうですね。

 

(2)嫌われることにデメリットはないの?

そうですね~。
もちろん、嫌われないに越したことはありません。
でも、どんな偉人でも素晴らしい人でも、
その人を嫌う人っていなくならないんです。

 

キリスト様は世界中の多くの人々から愛されていますが
アンチ・クライストはいなくなりません。

 

マハトマ・ガンジーを嫌う人もいるでしょう。

 

ある時、ブッダのところに弟子がやってきて、尋ねました。

 

弟子:「ブッダさん、あなたの悪口を言っている人がいる。あなたはそれを聞いてなんとも思わないのですか?」

 

ブッダ:「そうですね。あなたが私に贈り物を持ってきたとします。その贈り物を私が受け取らなかったとしたら、その贈り物は誰のものになりますか?」

 

弟子:「う~ん。それは私の物になります」

 

ブッダ:「なるほど。では、あなたが私の悪口を言ったとします。しかし、私は一切受け取りませんよ」

 

悪口を言う人はいます。
(もちろん、私の悪口を言う人もたくさんいるでしょう)
しかし、自己肯定感のある人は、
言われた言葉と、自分の持っているセルフイメージが違っていますので
自己一致することはありません。
つまり、他人からの誹謗、中傷、悪口などは一切受け取る必要がないのです。

 

受け取らなければ、ノー・ダメージです。

 

自分に問うことが、ひとつだけあります。
私の取った行動や行為、言動は「愛」だったのか?
もし、「愛」での行動なのであれば、自分には何ら問題がない。
それが「自負心」となり、自己肯定の下支えになります。

 

自分に非がなく、愛で行動していても
なお、いやがらせしてくる人もいるでしょう。
物理的に耐えられないほどの嫌がらせをされた場合は
ICレコーダーで録音したり
関係各所に相談に行くなどの行動を取りましょう。

 

それは、自分を守ってあげる、自分を助けてあげる、という
「愛」に基づく行動なのでOKです。

 

かぼちゃ様は頭が良くて優しくて繊細な方です。
そんなかぼちゃ様にいやがらせする奴は許せません!

 

しかし、人間ってみんなが賢いわけでも優しいわけでもありませんから
仕方のないこともありますね。

 

できるだけ程度の低い人から離れて暮らしましょう。

 

そして、自分は自己肯定感のレベルをどんどん上げて
「愛」と「善」で生きましょう。

 

想像してください。
今よりもずっとずっと自己肯定感のレベルが上がって
レベル100MAXの自己肯定感を持っている自分をイメージしてみて下さい。

 

その自分は、
他人の悪口で凹んだりしていますでしょうか?
悪口を言われた時に、どんな表情でどんな態度をとっているでしょうか?

 

もう一つ、想像してみて下さい。
自己肯定感レベル100MAXの人はどんな人でしょうか。
漫画の主人公でも良いです。映画の主人公でも良いです。
芸能人でも良いです。身近な尊敬する人でも良いです。
過去の偉人でも良いです。

 
思い浮かべてみて下さい。
 

さて、その人だったら、
他人から嫌われて落ち込んだりするでしょうか?
悪口を言われたことを気にして、凹んだりするでしょうか?

 

その人は、自分の大事なことを諦めるでしょうか。

 

パレートの法則

フォーカスを変えましょう。
「パレートの法則」というものがあります。

 

10人いると、
何をやってもあなたを嫌う人が2人います。
何をやってもあなたの味方になってくれる人が2人います。
残りの6人は敵でも味方でもありません。

 

…というのが、パレートの法則です。

 

ここで、ほとんどの人が、自分を嫌っている人にフォーカスしエネルギーを消費してしまいます。
しかし、少ないながらも自分を嫌っていない人たちも存在するはずです。
その人たちにフォーカスし、エネルギーを使いましょう。
感謝の言葉を伝え、優しくしてあげましょう。

 

次の10人に出会っても、味方の人にエネルギーを使いましょう。
そうすると、味方がどんどん増えていきますね。
そうすると、ずっと楽に生きられるようになります。

 

「嫌われない」ではなく
「好かれる」を意識しましょう!

人間は、自分のとってメリットがある人を好きになります。
友達関係でも恋愛関係でも同じです。

 

優しい人や
自分の味方になってくれる人
自分を優先してくれる人を好きになりますよね。

 

自分のために努力してくれる人や
自分のために頑張ってくれる人、
自分のために尽力してくれる人がいたら
心から感謝するでしょうし、
大好きになると思います。

 

嫌われないことを意識し、
嫌われないように細心の注意を払いながらオドオドしながら生きていくのはしんどい生き方です。
そして、嫌われないことを意識するということは
常に嫌われている自分をイメージしながら生きるということです。

 

引き寄せられますよ~。

 

「嫌われない」生き方ではなく、
「好かれる」生き方を目指しましょう。
その方が気持ちいいし、
結果的に、多くの人から嫌われない人生が待っています。

 

好かれる生き方。
それはつまり、
「善」で生きる。
「愛」で生きる。

 

ということなのです。
 
 


人生が上手く行かない時は、
いつも「内向き」

ここからちょっと、私自身の話になります。

過去を振り返ってみると、たくさんの失敗をしてきました。

嫌われたこともたくさんありました。

人を怒らせたこともたくさんありました。

そして、それらには、

ひとつの共通点がありました。

 

人生が上手く行かなかった時は、

いつも自分が「内向き」になっていたのです。

自分勝手で思いやりがなく

自分の思い通りにしたいという欲求を優先させた結果ですね。

 

皆さんも、

人生で躓いたり上手く行かない時や

人間関係や恋愛関係で上手く行かない時があると思います。

 

そんな時、ちょっと考えて欲しいのです。

「もしかして、今の自分は内向きではないか?」って。

 

もし、外向きだったら

違った結果になると思います。

 

 


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Author : 水元和也