現実の正しい姿、仮観・空観・中観、「悟り」とは何か?

『「自分がどう思うのか?」ではなく、「実際の世の中はどうなっているのか?」を知らなければ、ただの自分勝手な思考に陥りかねませんので』
の部分が理解しづらかったので、もう少し詳しくご説明して頂けると助かります。

こんにちは、セラピールーム・ソラの心理カウンセラーの水元です。
ご質問、ありがとうございました。

そうですね、
確かに解りづらかったと思います。
申し訳ありませんでした。

いわゆる“色眼鏡”と言うやつです。
人は人それぞれの信念や価値観を通してこの世の中を理解しています。
色眼鏡を通してこの世の中を見ているんですね。
(心理学用語では認知バイアスと言います)
この色眼鏡は1枚ではありません。
いくつもの色眼鏡がくっついています。
その色眼鏡をどんどん引っぺがしていくと、ありのままの世界が見えてきます。
これが私の書いた「実際の世の中」というものですね。

例えば、
かつて私がうつ病だった頃、この世の中は敵に満ちていました。
全ての人が私を否定する敵だったのです。
(これが「私の思う世界」です)
でも、今考えると
世の中のすべてを否定していたのは私の方でした。
劣等感や罪悪感から、あらゆることで傷ついていて、傷つきたくないからすべてのことを遠ざけようとして否定していたのだと思います。

今、思い起こせば、中には優しく声をかけてくださった方もいました。
でも、その時の私には上手に対応することができませんでした。

それから様々なことを学び、新しい知識を取り入れて、考え方のパターンを変えたら、世の中が違って見えてきました。

対人のパターンを変えたら、仲間ができました。
セラピールーム・ソラのスタッフ3人は、今では私のかけがえのない仲間たちです。
同じ方向を目指してくれる同志として、様々なサポートをしてくださっています。

今の私に見える世界は「暖かくて優しく手を差し伸べる人もいるんだな」という世界です。

■仮観、空観、中観

仏教用語に仮観、空観、中観という思想があります。

「あの世がある」「来世がある」「生まれ変わりはある」という世界を信じている人と、「そんなものはない」と信じている人では、どんなに話し合っても平行線で分かり合えることはないでしょう。

でも、中観ではこう考えます。

「どっちでもいいじゃん!」

お互いの思想を認めて、相手の世界を否定する必要がない世界です。
実際には明確にすることも照明することもできませんので、わかるはずがありません。
わからないことでいがみ合うより、相手の立場や思想を理解しようとしてあげることが優しい世界だと思います。

そして、いくら考えても解らないことを突き詰めて考えるより、
お互いの共通点を探してそこで会話をした方が楽しいと思います。
話すための話題はほぼ無限にあります。

「アフリカの飢えた子供たちを助けるためにはどうすればいい?」
「フィリピンのストレートチルドレンを学校に行かせるには?」
「カンボジアの地雷を撤去するためには?」

そういう話し合いの方が健全ですし、合理的です。

■ユートピア思想
話が変わります。
「ユートピア思想」という概念があります。
このユートピア思想を持っていると、どうしても自分の思い通りにならないことに腹を立てることになります。
「なんでわかってくれないんだ!」「なんで思い通りにならないんだ!」って。

自分の思い通りにならないことを前提としてしまえば、
世の中の誰にも期待しなければ、裏切られることもありませんし、腹が立つこともありません。

仏教の最終目標の一つは、「こだわらない心、囚われない心」です。
自分の頭の中にある思想や信念、価値観をすべて外せたときに
つまりすべてのバイアスを外せたときに「悟り」がやってくるんですね。
これが、「実際の世の中の姿」なのです。

まぁ、私もすべてのバイアスを外せてませんけど(汗)

今回は仏教からの引用が多かったですが、私は仏教者ではありません。
何かを学ぶときには一神教になるのは絶対に良くないことです。
そういう意味で、私はすべての宗教に対して否定的です。

哲学者としてのブッダは好きですが、
宗教としての仏教はとても良くないですね。

さて、私の拙い文章で解りづらかったことも多々あるとは思いますが、
またわからないことがありましたら、お気軽にご質問いただければと思います。

Vision心理カウンセリング

セラピールーム・ソラ
https://cocoro-sora.net/
心理カウンセラー、ライフコーチ
Author : 水元和也

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