最近、会話の中で、周囲から何度か聴いた言葉があります。
「あの人、絶対私をバカにしている」
「俺の事をバカにしているのか」
という言葉です。
私が今よりもコミュニケーションが下手だった数年前に、話している相手から、「バカにしてるの!?」と言われた経験を思い出しました。
衝撃的な一言でした。
その時、私は相手の事をバカにしているという気持ちはは一切なく、ただ、相手と分かり合いたいと思い討論しているつもりでした。
そのため、なぜ相手が、「バカにしている」と思ったのか、理解が出来なかったのです。
今考えると、きっと私の言い方が良くなく、相手の気持ちを汲み取れなかったのでしょうね。
とはいえ、私自身は、相手にバカにされていると思って、腹を立てたり、悲しんだり、悔しさを味わった経験だけはあまりないのです。
どちらかというと、気が弱かったからかもしれません。
なぜ、「バカにされている」と思って、怒ったり、泣いたり、悔しがったり、落ち込んだりしてしまうのでしょうか。
それは、もしかしたら、自分が自分の事を一番バカにしているのかもしれません。
バカにするという言い方はあまり良くないかもしれませんね。
言い換えると、
自分のやっている事に自信がなく、自分は本当はダメな人間だと思っていたり、
自分の現在の状況を責めていたり、
自分が本当は弱い人間なので、強く見せたいと虚勢を張ってしまったり、
他人から承認される事で満足心を得ていたり、
他人の評価が自分の評価だと思っていたり。
こんな風に、今の自分を過小評価して、自分自身をいつも疑っているのかもしれません。
ですから、例え相手が自分の事をバカにしていなくても、ちょっとした態度や言葉が、自分をバカにしているように思えてしまうのかもしれません。
逆に、自分が自分を絶対的に信頼して、「自分は素晴らしい、頑張っている」と評価出来ていたり、今の自分自身や、自分がやっている事を認めてあげられていれば、他人から何と言われようと、「バカにされた」と思う事はなくなるのだと思います。
これは、自分側の問題を乗り越える事で、解決する方法です。
そして、もう一つ、これは相手側の問題です。
もし本当に、他人さんが自分の事をバカにしてきても、同じ土俵に上がらない事が大切です。
他人さんをバカにしたり、見下したりする人は、やはり自信が無かったり、劣等感が強いため、世の中を順位付けして勝ち負けでしか評価出来ない、視野の狭い人なのだと思います。
自分に自信があり、人格が成熟している人であれば、他人さんをバカにするような態度をとる事は絶対にありません。それが、世の中を正しく見られている人なのです。
このように、考えられるようになると、
「バカにされたっていいじゃない」
と本気で思えるようになってきます。
相手の態度や言動に一喜一憂する事もなくなり、もっとより良い人生に変化していくのだと思います。